第19話 Who are you?
え?え?マジで見覚えのない顔なんだけど・・・。いきなり「僕を陽キャにしてください」なんて迫真に言われても・・・こいつはめちゃくちゃ恥ずかしいことを言っている自覚は一体あるのだろうか。
制服のネクタイに目を遣る。
謎の頭おかしい生徒のネクタイにはブロンズと青色のネクタイピンが付けられていた。
この学校ではネクタイピンで学年とクラスを表している。
1年生はブロンズ、2年生はシルバー、3年生はゴールド、A組は赤色、B組は青色、C組は緑色、D組は紫色、E組は黄色、F組は黒色と言ったように決まっている。また、生徒会に入ると白色のネクタイピンがつけられたり他にも色々あったりする。
「えっと・・・どちら様ですか?」
緊張した面立ちをしていたその生徒であったが俺の問いを聞くと我に帰ったのか恥ずかしそうにする。
「僕は1年B組の
「それで狩宮よ、陽キャにしてくれとはどういうことだい?」
「B組にも悠人さんの評判は届いていて、陰ながらに尊敬していました。僕も悠人さんみたいに友達を沢山作って、女の子にも囲まれたいなっていう単純な動機です!!」
健全な男子高校生な動機ではあるが、ここまで馬鹿正直に言われても困る。でも?尊敬?してくれてるって言うなら?まぁ?手助けしてやらんこともないがな。
「陽キャにしてくれって言ってもなぁ、俺にメリットが無いんだけど」
「メリットですか・・・そう言われても無いです」
なんやねんこいつ。
「俺だってな、暇じゃ無いんだよ。元々仲が良いならまだしも見ず知らずの奴に頼まれても簡単に首を縦には振れない」
「そこをなんとか」
「無理」
「お願いします!」
「無理」
「分かりました!これでどうでしょう」
狩宮はそう言うと同時に親指と人差し指で丸を作りお金のサインを作る。
「ふむ」
「1万」
「うーん」
「2万!」
「うーん」
「えい!5万」
「うーん」
俺は変わらずに腕を組み悩んでいる姿勢を示し続ける。
「いくらならいいですか?」
「10万」
「
「商談成立だ、よろしくな」
俺は狩宮の肩を組みに行く。
「でも、条件があります」
「ほう」
「手付金で3万、僕が満足する程度に陽キャになったら残りの7万を払うというのでよろしいですか?」
"僕が満足する程度に"というのは満足していないと言えば結局は3万しか払わずに済む。そんな簡単な罠に引っ掛かるわけないだろ。
「手付金3万というのはいいが満額支払う際の定義を客観的なものにしてくれ」
「流石に通じませんね、分かりました。僕、実は好きな人がいるんです」
「ふむ」
「その人と付き合う。これが達成できた暁には満額お支払いする、というのはどうでしょうか?」
それなら客観的事実に基けるからいいが・・・達成するのむずくないか?もしかして、変なことに首突っ込んじまったか?
「めんどくさいが受けると言っちまったからな」
「よかったです。では、RINEを交換しましょう」
「そうだな」
突然なことではあったが俺は野○タをプロデュース的な企画が始まることになったのだった。
◆
翌日、土曜日。
俺は朝6時に起き、カーテンを一気に開ける。即座に入ってくる日光によって俺は光合成をする。二酸化炭素を吸って、酸素を出すのだ。
「こんなにいい天気の日は外にでも遊びに行こうかな!」
とりあえず、ランシューを履いて久しぶりに走りに行こうと決意をする。
「最近、体動かしてないから鈍ってるだろうなぁ」
つい最近まで骨折してたから仕方がないと言えば仕方がない。
玄関のドアを開けようとした時、スマホに電話が掛かった。
「もしもし?」
〈あ、悠人?今ひま?〉
電話の相手はC組要輝利哉だ。え?誰か忘れたって?第5話を見てみよう!!
「まぁ、暇といえば暇」
〈今から学校のフットサルコート借りてフットサルやろうと思ってるんだけど来れる?〉
この学校の第二アリーナ(体育館)の屋上にはネット付きのフットサルコートが2面ある。
「しゃあなしな?」
〈あつい、じゃあこのあと7時に来いよ〉
「はいよー」
そう言って電話を切る。
ランニングの予定がちょっと変わっちまったがマイナーチェンジだ。ノープロブレム。
運動着は元々着ていたので水筒と小物を少しだけバックに突っ込んでコートに向かう。
7時となるとまだ時間は少々あるがアップついでに少し小走りする。てか、
うわ、昨日の狩宮との意味わからん契約を思い出した。最悪だ、昨日の俺はなんであんな面倒事引き受けてるんだよ。急に陽キャにして下さいとか言ってくる不審者と契約を交わすなんて俺らしくない。リスクヘッジが出来ていない。
そうか、俺はバックにしまっていたスマホを取り出し、ある人物に電話を掛ける。
「今から言う人物について調べて欲しい、お前ならできるはずだ。頼む」
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