1月31日 流行

わたしだけが知っていてわたしだけが好きだった、そんな秘密基地のようなコンテンツが最近急に話題に上がるようになった。

人気が出てくれて嬉しいという気持ちとなんだか寂しいという気持ち、そして「今まで見向きもしなかったのに急に何?」という薄暗い気持ちが混ざって眩暈がする。

わたしがいくら愛を注いでもそのコンテンツを所有することはできないのに、なんでこんなことを思うのだろうか。嫉妬?独占欲?わたしはそんなものに左右されるような人間だったのか?


多分わたしが一番嫌なのは、わたしの愛したものたちがただの「流行」に成り下り、その流行が廃れたいつの日か「昔流行ったよね」の一言で片付けられることなんだ。

わたしの愛したものや人は、わたしにとっては流行なんていう陳腐なものじゃなくてわたしの一部を犠牲にしてまで愛を貫きたい、それくらい大切な物だから。


流行という言葉を聞くたびに、自分が流行のものに触れるたびに、これも誰かにとっては一生忘れられないずっと昔から愛してきた物なのではないのか、という考えがよぎる。


これはきっと「好き」という言葉の本当の重さを分からなくさせる呪文なんだ。

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