★2R》エピソード②

 ここはとある町の、都会の町並みからすこし離れた高台にある一軒家。


 辺りには、田畑や山々がつらなりのどかな地域だ。そして、そのまわりに家はあるのだが一軒一軒が離れている。




 この家の二階の部屋の中では、一人の男性が真剣な顔でパソコンの前に座って操作していた。


 周辺には、パソコン関係のあらゆる本と数体のゲーム機器が置かれている。


 そして、フィギュア、コミック、小説、DVD、アニメ関係の物などがきれいに棚にならべられていた。



「あれから、もう二年がすぎるんかぁ。あの日以来、 澪治れいじは家に遊びに来んようになった」


 そう言いながらキーボードに両手を添え、カチャカチャとリズミカルに指先を動かし入力している。



 この男性は草壁 澪真くさかべ りょうま、二十三歳。この家に両親と姉二人、妹、弟と七人でくらしていた。



「そういやぁ。龍騎は、どないしとる? ギルドをユウに引き渡したあと、しばらくして音信不通になりよった」


 澪真は入力を終えると、


「まぁ、あの人のことやさかい、なんぞおもろいゲームでもみつけたんやろう」


 パソコンの前で考え始めた。


「あれから、龍騎が言うとった異世界のことについて。いろいろと調べてみた。せやけど、バグはみつからへんかった」



 そう澪真は、龍騎から異世界のことを聞かされたあといろいろと調べる。そして現在、そのゲーム会社をみつけ就職していた。



「…… その異世界についても、分からへんかった。だが、過去に異世界に行った者、数名に会うことはできた」


 デスクの上に置いてある、ぬるいコーヒーを飲みながら、


「せやけど、あまりそのことについてふれたないようやったなぁ。……シズヤ以外はな」


 そう言いながらパソコンの画面を切り替え、


「さて、俺はいつも通りゲームでもするか」


 ゲームにログインしたその瞬間、家が大きく揺れ急に画面が光りだす。


「おい! 何が起きた!?」


 すると、揺れは段々激しくなりその光は澪真をおおった。


 その光が、澪真をおおいつくすと徐々に粒子となる。


 そして、パソコンの画面に吸いこまれるように消えていった。

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