第2話 遂に巡りあった私とあなた

雪野小春の思い

私は助からないと思っていた。

体も思うように動かなくなってきて、死を目の前にした時に私に心臓移植の話がやってきたのだ。私はこの話を受けたときまだ見放されてはいなかったと思ったのだった。私はまだ死ぬ気はない、必ず助かってみせるんだ。

夏凪裕也の思い

俺は死んだのか。

まさか家を出たところで交通事故に遭うとは思いもしなかった。

まだ、やりたい事があったのに死んでしまったのか。

だが、こんな結末を俺は望んではいない。死んだのかもしれないが俺はまだ終わらない。必ず自分の夢を変えるんだ。たとえ自分の意識がなくなったとしても。

しかし、この二人の運命を大きく巻き込んで誰も予想しなかった方向へ未来は進んでいくのでした。

彼女の手術は、成功した。

だが、彼女自身はこの手術をきっかけに思ってもいなかった方向に進んでいくのでした。

そして手術から3日たったある日、体の中から今まで聞いたことのない声が聞こえてくるのでした。

雪野小春

なんか私の中から声が聞こえた気がした。こんなこと今までなかったのに。まさか心臓移植をしたことが原因なのかな?

でも私の気のせいかもしれない

なので、私は確認のため「誰か私の中にいるの?」と聞くのでした。

夏凪裕也

あれなんで俺生きてるんだ?だけどいつもの体の感じが違う。更に声も出すことができない。しかし、気づかないうちにこの言葉が伝わっていたようで、俺は「誰か私の中にいるの?」と聞かれてしまった。それに対し俺は、

「俺の名前は夏凪裕也だ。お前こそ一体誰なんだ」と聞くのでした。

「私は雪野小春よ。どうしてあなたは私の中にいるの?」

こう尋ねると彼は、「それが俺にも分からないだ。交通事故にあって死んだと思っていたんだが気がついたらこんなとこにいたんだよ。お前こそ何かわからないのか?」

あーなんか思い当たることがあるな。ここは正直に応えるか。

「多分だけど、あなたの心臓を私に移植したのが原因かもしれないの」

それに対し彼は、「まさかそんな事になってたなんてなー。死んだんじゃなくて脳死だったのか。でも尚更ここにいる意味がわからないぞ。だけどこれで俺は自由だ」

私はこれに対し、「いやいや、あなた自由になれてないって。自由になったのは私だから」と言ってしまうのだった。

しかし彼は、これまたびっくりすることを言ってきたのだった。

「まあそうかもしれないけどな。だが俺にもしたいことがあったんだ。だからお願いだ。俺と一緒に小説を書いてくれないか?」

「いやいや初対面の人に何言ってきてるの。小説なんか私には書けないから」

それに対して彼は、「大丈夫だから一緒に書こうぜ」

この数時間後、諦めてくれなさそうな彼に負けて私は小説を書くことになるのでした。

「でもあなた小説なんてかけるの?」と聞いてみたら彼は気まずそうに、

「俺も書いたことないからわからないな」と言った彼に私は呆れてしまうのでした。


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