第15話 信頼の破壊と妻の企み
全てを再び失った私は、どうしても妻の取った行動に納得が出来ずに、妻の職場近くまで会いに行ってしまいました。
向かう途中に、妻の上司と妻が歩いている所に遭遇しました。
私は妻に話し掛けたところ、妻の上司がすかさず『暴力はダメよ』と私に言ってきました。
私は妻も含め、女性に1度も手をあげたことなどありません、逆に妻から叩かれたり、物を投げられたり暴力を振るわれる側でした。
上司が『暴力はダメよ』と言ったあと、息子に電話をすると言い出したので、私は
『それはちょっと待ってくれ』と言いました。
『私はただ妻に聞きたいことがあるだけで、それを聞いたら私はもう2度と彼女の前には現れません。良かったら一緒に話を聞いてください』とお願いしました。
それでも私の話は全く聞いて貰えず、上司が息子に電話しようとしました。
私は必死に上司の携帯を奪い取る行動をしてしまいました。
その理由は上司の息子さんは刑事さんだと知っているからです。
私は何かをしようと思ったわけでもなく、私の納得できない気持ちを整理したかっただけでした。
それなので、上司の息子は刑事なのも知っています。
ここに警察が来たら、また法律違反だと、話しも聞いて貰えず逮捕される可能性があると思ったので、必死にそれを避けようとしたことは事実です。
それでもお互い好きになって、結婚して一緒に過ごして、幾ら色々あったにしても、住居侵入はないだろ😢と納得できなかったのです。
せめてちゃんと話が出来たならと…
私は上司の携帯を取り上げて、ふと妻を見ると妻は私の高価なダウンジャケットを着ていたので、『何で俺のダウンを着てるんだ?』と聞くと『なら返す』と言って1度はダウンを脱いで差し出したのですが、私がそれを取ろうとしたら、その手をダウンから離しませんでした。
私と妻はそのダウンの引っ張り合いになりました。
私の方が力が強いので、そのまま強引にダウンを引っ張ったら、妻の鞄ごと私の方に来てしまいました。
その瞬間に、妻と上司が大声で
『誰か助けて❗盗まれた~❗』と叫ぶので
私は驚きと、同様で思わず走ってその場を走り去ってしまいました。
走っている最中、上司の携帯を落としてしまい、私は走るのを止めました。
そこに警察が駆けつけ、その場で窃盗で現行犯逮捕されたのです。
窃盗の件は比較的スムーズに取り調べは終わり不起訴になりましたが、それでは終わらず今度はDV法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律違反)で再逮捕されたのです。
この件では私は暴力を振るったわけではないのですが、接近禁止を破ったことでの保護条例違反で起訴されてしまいました。
私はその後、大分刑務所に移送されました。
この刑期の中で私はもう全て妻との事は水に流し、関東に戻り1からの人生のやり直しを自分自身に誓っていました。
刑務所の拘置区で生活をしていましたが、ここでは2週間程居て、罰金10万円を支払い釈放されましたが、この間面会に来てくれていた知人に頼まれて、マンションまで用意するのでしばらく大分に残って仕事を手伝ってくれと言われました。
私は少しだけ大分に残り、しばらくしたら関東に戻るつもりで、知人の仕事をOKしました。
また、住む家も仕事もあるので妻の事は忘れてゼロからの人生を送り直そうと、前を向いて仕事に専念していた矢先に、また次の出来事が起こりました。
釈放されてから、知人の会社で必死に仕事をしている矢先でした。
突如としてまた妻から連絡が来たのです。
妻からの用件は
『あんたは良いね、働くところがあって』
『女の所に居るのか?』
『女と一緒に住んでるのか?』等と私に言ってくるのです。
私は『違うよ、そんなことないよ、一生懸命働いているだけだよ』と妻に言いましたが、妻は全く聞き耳を持たずに、私に言いたいことを言うだけ言って、電話口で怒鳴っていたのです。
怒鳴る妻に私は
『もう、怒鳴るのは止めてくれ』
『言い合いはもう懲り懲りだよ』
『もう、貴女とは復縁はないし、連絡しないでくれよ』等と私は言いました。
その言葉に妻はまた腹を立てて
『私を捨てて違う女と一緒になるんだなぁ』
『やっぱりそんな女が居たんやな』
『私を捨てるのか?』と言ってきたので、私は
『そんなんじゃない、もう関わりたくない』
『もう、あんな思いをするのは嫌だ』
『俺は捕まりたくない』
『俺は真面目になるために別府に来たんだ』
と言いましたが、妻はひたすら私に連絡をしてきて同じことを繰り返し言うのです。
私はLINEをブロックしたり、着信拒否もしましたが、するとショートメールで私に
『着信拒否したな!LINEをブロックしたな!携帯の電源切ったな!』等と言ってきて、私がLINEブロックと着信拒否の解除をすると、妻は同じことのひたすら繰り返しを送ってくるのです。
この様なやり取りを繰り返していたのに、何故か気付いた時には妻とまた会うようになり、一緒に食事に行ったり、カラオケに行ったり飲みに出たりするようになっていました。
妻が『今日は家に帰りたくない』と言ってきたことがありました。
『何処かのホテルを取ってほしい』と私に言ってきたので、私はその時ホテルを2名で予約をしました。
妻と一緒に居ても、私には保護命令が6ヶ月付いていたので、妻はもしかしたら何か企んではいるのではないかと、頭を過りました。
妻には幾度となく騙されているので、正直関わりたくない気持ちはありましたが、
妻が『お腹空いた、ご飯食べに行こう』
『カラオケ行こう、一緒に温泉に行こう』
『あそこの居酒屋行きたいから、予約取っといて』等と言ってくるのです。
私は妻の言うことに逆らうことが出来ず、もし逆らったらまた怒りだし、何をするかわからないことに怯えていました。
なので喧嘩になりそうになると、言い返さずに『すいません』と言うように、いつしかなっていました。
この様にまた妻と会うようになり、色々な所に出掛けるようになっていたのです。
そんなある日妻の家にいる時に、妻と私が言い合いになってしまったことがありました。
その日はいつもより激しい口喧嘩で、また妻の小言が始まったと思い、私は一旦トイレに入り冷静を取り戻そうとしていました。
すると、パリンと言う音が聞こえてきました。
私は驚き、慌ててトイレから出て、妻に駆け寄ったのですが、窓を見ると家の窓ガラスが割れていて、妻に『怪我無かった?どうした?』と聞くと、私と言い合いになったことに腹を立て、物を投げたのですが、勢いが余って割れてしまったと言うのです。
私は割れた破片を広い、片付けをし、割れた場所を応急処置しました。
そしてまた喧嘩になってしまったことを、私の方から謝りました。
そんなある日、私は別府署に器物破損と住居侵入で逮捕されたのです。
この事件について、私は全く身に覚えがなく困惑しました。
妻の方から
『お母さんがガミガミうるさい』
『お母さんが嫌だから、何処か2人で住める所を探して欲しい』
と言ってきたので、妻のために2人で住める場所を探していました。
私は逮捕されたその日も、2人で住める家を探しに、別府の商店街をあるいていたのですが、前から来た警察官に突然声を掛けられました。
警官が私に名前を確認して
『ちょっと別府署に来て欲しい』と言ってきたので
『何故私が警察署に行かないと行けないのか?』と尋ねたら、警官は直ぐに無線で応援要請をしました。
私は怖くなり、隙をみて逃げてマンションに戻りました。
私が住んでいるマンションに刑事が来たので、部屋の鍵を閉めてしばらく考えました。
何で別府署の刑事が私を追いかけてくるのか?
何もしていないのに、なんでいつもこうなるのか?
どうすれば良いのか?
考えていました。
その間、刑事はインターフォンを押して何かを言っていたのですが、私は一切取り合わずにいたら、ドンドン刑事が集まり、玄関のドアを抉じ開けようと言うことを言っていたのが聞こえたので、私は思わずバルコニーに出て、バルコニーを伝って、一番端の部屋のバルコニーに身を隠していました。
身を隠している場所から私は別府署に電話をし、『何で俺を追っているのか?逮捕状が出ているなら出頭するので罪名を教えてくれと』と言いました。
でもそれを教えて貰うことは出来ませんでした。
私は1番端の部屋のバルコニーで身を潜めていましたが、このままでは不味くなると察し、早く自分の部屋に戻りたいと考えたのですが、バルコニーから外を見たときに4~5台のパトカーが止まっていて、真向かいのマンションにも仕服警官が配備されているのを見て、もう部屋にも戻れないと覚悟しました。
その時、私はふと思いました。
『もしかしたら、また妻がありもしないことを警察に言ったのかも知れない』と思ったので、私は妻にLINEを送りました。
『俺が住んでいるマンションに別府署の警察が来たけど、もしかして何か知っている?』と送ったのですが、妻からは『私は通報なんかしてないよ』と私にLINEを返してきました。
私は妻に『助けに来て欲しい』
『俺が住んでいるマンションに直ぐに来て』
と、LINEを入れましたが、私は通報していないと返信が来て、それを最後に妻との連絡は途絶え、私はまた別府署の刑事に捕まりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます