悲愴な者
鏡の中に不幸を見た
肌には擦り傷や切り傷が散乱する
瞳の奥に不幸を見た
私はその小さなナイフを握りしめる
そっとその境界線の奥へ
ただ動かぬ模倣品が視界をグラグラと揺らす
シャキシャキと頬に伝う鉄
ポツポツと這う痛みの中で私は人を呪う
その笑顔もその泣き顔も
全ては因果応報に落ちればいいと思う
罪の源は自分で
足りなければ私が注げばいいのだと
だが人の幸不幸は
望まぬ私を含めながら
塞翁が馬と釘を打つ
幸であることが私の不幸だというのなら
あなたの不幸が私の幸であるならば
ただ、そのしあわせを願うだけ
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