第271話 頭上の馬 🐴



 秋をささっと通り越して、急に冬がやって来た朝、まぶしい陽光にくっきりと浮かび上がっているのは、いくえにも重なった山並みの最奥に鋭くとがる、銀色の山巓。


 峻厳な気持ちに駆られていると、頭のすぐ上を大きな鳥がかすめて行きました。


 あまりに近いので、「コキコキコキ」という羽音まで、はっきり聞こえました。


 あれはもしや、鳥のかたちをした天馬では……楽しく想像してみました。🐤🐎

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