第78話 湧き水 🍁




 高原の城下町の地下には豊富な水脈が張り巡らされており、市街地の至るところに、無料で飲んだり、ペットボトルに汲んだりできる井戸が設置されています。


 そのうちのひとつで、三味や小唄のお師匠さんが稽古場の看板を掲げる小路に、さみどりも清々しい芹が萌え出ていて、通る人の目を楽しませてくれています。



                  👘



 きれいな水に育っていかにも美味しそうだから、ちょっと失礼して今夜の食卓にという人はいないみたいで(笑)、芹は、湧き水の音を聴きながら夏を迎えるのです。

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