　赤い三角のよだれ掛けを巻かれた(笑)黒のラブラドールレドリバーと、右うしろ脚にサポーターを巻かれた白のチワワが、田んぼの中の１本道ですれちがいました。

「どしたの？　あんた、そのあんよ」

「なんかねえ、靭帯（じんたい）とかいうところが、ヘンなんですって」

「そういや、おたく、一見、若そうだけど、けっこういい歳だもんね」

「やだ、おたくだって赤いもん掛けさせられちゃって、お互いさまでしょ？」

「んだね」

「んだんだ」

　よく晴れた春の真昼。☀

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい