【32万PV達成】ブルー・スフィア~地球異世界ハーフの異世界スローライフ放浪録~

瑛輝

第一章 壁の魔法陣からの異世界。

第1話、壁の魔法陣

 親父がある日、交通事故で死んだ‥

 交差点で信号無視をして来たダンプトラックから、子供を助けようと飛び出して自分が犠牲になり子供は助かった。


 あのガチムチの筋肉親父でも、ダンプトラックには敵わなかったようだ、即死だった。


 親戚もいなかったので、密葬で親父と仲の良かった人達と俺だけで葬式を済ませた。


 俺は、伊勢新いせ あらた20歳、フリーターで半ニートのゲーマーだ。

 親父、伊勢剛いせ つよしと二人暮らしだった。


 親父は骨董品屋を営んでいて、そんな筋肉、骨董屋にいるのかって言うくらい筋骨隆々の男だった。


 親父は別に俺が大学に行かずにフリーターするのも、何も言わなかった。

 つまり親のスネをかじって生活してきたわけだ。

 いや、俺も多少はちゃんとバイトしていたよ。


「あ、私が最後だね。新…何か、困ってることあったら言ってね」

「ああ‥瑞希ありがとう」


 そう言って、葬式の最後まで残っていたのは、幼馴染の桐谷瑞希きりたに みずきだった。

瑞希は、クラスでも人気者だった、セミロングの髪が似合っていて、可愛い上に運動神経もスバぬけて良いと来てる。


 俺は、小さい頃から何かが見えると言うか?

 霊感のような物が強かったせいか、他の同級生に気持ち悪がられ友達はいなかったが、瑞希だけは俺に構ってくれていた。


 瑞希が帰り、入り口を閉めて溜息をついた。


 さて、これからどうするか。

 本格的に就職を探すか…


 とりあえず、バタバタしていて親父の遺品の整理とかやってなかった。


 親父の部屋の箪笥とかをひっくり返す。

 すると、一つ漆の箱を見つけた。


 それを開けると、保険とかこの家の登記簿謄本とか出てきた。


 その中にひとつの封筒を見つけた。


あらたへ】


 なんだこれ?俺宛?

 封筒を開くと一枚の紙があった。


『新。これを読んでると言う事は、俺に何かあったからなのかもな?お前が成人したら言うつもりだったが、お前ならあの世界へ行けるはずだ…』


 は?あの世界って何のことだよ。そもそも20なってんぞ俺。


『それと、金の事は心配しなくていい、俺の部屋隅の畳を剥がしたら壺が二つあるからその中の物を使え』


 畳?…


『それから、もう一つの壺に宝石と巻物があるのだが、巻物は絶対ここでは開くな!注意:巻物は必ず向こうの世界で開く事』


 何のこと言ってんだ…巻物?


『金が無くなったらこの宝石をフェルナンドって信頼できるやつに売ればいい』


 フェルナンドって外人さんかな?

 電話番号まで書いてあるし…


『使ってない物置の部屋があるだろう?あそこの壁紙を剥がすと魔法陣があるから手を翳せばお前なら向こう側へ行けるはずだ』


 さっきからあの世界だの、魔法陣だの…向こう側?


『こんな親父で済まなかったな、新、今まで母さん…エウロラの事は話していなかったが、向こう側でそれはわかるはずだ、それからクインにも宜しく言っといてくれ、じゃあな』


 これだけ?じゃあなって…おい…

 母さん?エウロラ?

 親父は母さんの事を話しないから、昔に壮絶な別れをしたのかなと思っていて、聞こうともしなかったけど…外人なのか?


 手紙を裏返すがそれ以外書いてはいなかった。


 ま、とりあえず、この部屋の隅の畳…

 少し違和感のある畳がある、多分ここだ。


 その畳を捲ると、簡単に張られた板があったがそれは簡単に剝がすことが出来た。

 手紙に書いてある通り、大きな壺が二つあった。


 ひとつの壺の蓋を開くと、そこにはビニール袋に包まれた現金があった。


「うわ!凄い金額…いったい幾らあるんだよこれ」


 もう一つの壺も開いた。

 綺麗な宝石が各種20個ほどと、見知らぬ金貨20枚、高級そうな巻物が2本入っていた。


「巻物?ここでは開けるなって言ってたやつか」


 とりあえず、一度、新は蓋を閉じて、気になる壁紙の方を見に行った。


 同じの部屋の隣にある部屋は物置に使っていた。

 よく見ると、壁紙の隅が少し剥がれている。


 新はそこを引っ張って剥がす。


「な!凄いなこれは…ゲームとかでよく出てきそうな魔法陣だ」


 暫く、その魔法陣を眺めていた。

 壁の素材も少し違うし、壁一面に描かれていた。


 新は、その魔法陣に少し触れて見ることにした。

 壁に掌が触れると魔法陣が淡白く光りだす。


 ビビって一度手を壁から離したが、問題なさそうなのでまた壁に触れる。


 魔法陣が全て光った後、その触れている手が中へ入って行く。


「これは…」


 肩まで手を入れてくるくると回してみるが、何も当たらない。

 恐る恐る、顔を入れてみると。


 そこには、薄暗い石で作られた部屋があった。


 一度、体を全て入れてみた、見渡すとそこは石作りの部屋になっていて、祭壇がありお供え物などもあった。


 先を見ると、外に繋がっているのが見えた。


 と…とりあえず、一度戻ろう…

 薄暗いし、帰れなくなると怖いのでまた魔法陣に触れて部屋へ戻った。


 一度いろいろと整理することにした。


 壺の中の現金を数えるとそこには5000万円の札束だった。


「親父…、何か悪い事でもしてたんじゃないだろうな‥家は中々年期入ってるのに、こんな大金持ってたのかよ…そしてこの宝石…盗んだ物じゃないだろうな?」


 そっと、また現金を壺の中へ戻す。


 とりあえず、このお金があれば暫く大丈夫か、親父の墓もこれを使えば何とかなりそうだし。明日は、魔法陣の中を散策してみるか。


 新は次の日に備え、その日は疲れたので就寝した。


 ◇


 次の日、リュックに散策に必要な物を詰めていく。


 懐中電灯、コンパス、携帯、ナイフ、おにぎり、お菓子各種、金貨、そして2つの巻物。

 こんなもんでいいかな?


 ガソリンスタンドのバイトしたときのツナギを着て、安全靴を履いて、いざ魔法陣の中へ!と新はそう言葉を頭の中で言った。


 懐中電灯をつけて、青白く光る魔法陣の中へ水を通り抜けるように入って行く。


 埃っぽい部屋に出て、懐中電灯で中を確認する。


 祭壇を確認すると、少し腐りかけた果物が置いてあった。

 壁には、灯りが灯っている不思議な器具が取り付けられていた。


 これは…LED電気のような器具か?


 ガサ…


「ひっ!」


 びくっとして何か音がした方をよく見ると、そこには大きな犬の影のようなものがあった。


 その影はむくっと起き上がりこっちを見つめて口を開いた。

「%$#”#$%」


 なんか吠えてる?‥やばい‥逃げなきゃ。


 新は、すぐに出入口の光のあるほうにダッシュして逃げた。


「はあ…はあ…」


 外に出て大きな岩の影に隠れてそっと振り返る。


 そこは作られた祠になっていて、立て札に見知らぬ言葉が書いてあった。

 そして、そのぽっかり開いている入り口を見るが追って来てはなさそうだった。


 ふう…気のせいか?

 いや、確かにいたような気がしたが…


 すぐに、その場を動いて祠から距離を取った。

 大きな木の陰に隠れて一息つく。


 リュックを開けて、巻物を二つ取り出す。

 両方とも封蝋がしてあり何かメモが張ってあるが、それも読めない。


 向こうで開けろって、向こうってのはここでいいんだよな?

 一つの巻物を開いて見た。


 その紙を開くと見た事もない字が書いてあり。

 その文字が浮かび上がり光る。


 わわわわ。


 その文字が、新の身体に吸収され、紙が熱くない炎に包まれ消えていく。


「何?何が起こった?」


 新は、自分の身体を見まわす。

 何も変わっていない、一息ついて残っている巻物を見ると張ってあるメモが読めるようになっていた。


 空間魔法箱マジックボックスと書いてあった。


 さっきの巻物のメモを見ると、翻訳スキルと書いてある。


「なるほど…さっきのは、翻訳ってことか?だから読めるようになった?じゃあこっちも」


 マジックボックスと書かれているメモを剥がし、巻物を開くと先程と同様、文字が浮かび身体へ吸収されて紙は消えていく。


 メモをよく見ると二つ折りになっており、使用方法がざっくり簡単に書いてあった。


『意識を集中すれば、空間に仕舞える魔法箱。時間経過無し、生き物不可』


 意識を集中?


 新は、空間に仕舞える箱を思い浮かべて手を伸ばすと、なんと空間が歪んだ。


 おお?これが、空間魔法?ってかこの世界って魔法があるのか?

 ってことは、ここはやはり、ゲームやラノベでよくある魔法の世界?


 一応、コンパスで場所を確認して北へ向かうことにしたのだった。




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後書き。

なろうの時と同じ物は多分書けないと思いますので、物語が多少変わりますが頑張っていきますので、カクヨム民の方々宜しくお願いします。


それから、素人の作品なのでお手柔らかにお願い致します。

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