4月24日

 もし私が幽霊となれたなら、きっと私はその死の原因に復讐してほしいと思うだろうし、それができる人をけしかけるだろう。私が幽霊になるのならばそれは未練があったのだろうし、私の死後におけるこの世界の存続を信じていないので幽霊になるということはこの世界が存続していたということと同義だから。

 そう、この世界の存続を信じていない。私の見るこの世界は私が観測したものだから。私以外には観測できないものだから。だからこの世界はなくなる。

 けれど私が幽霊となるならば、幽霊となった私はこの世界を観測できる存在である可能性がある。


 全て嫌だ。それでも何かはできる。やらなければいけない。結局今を変えることも今を維持することも嫌だというだけだからどちらかはやらなければいけない。両方に背を向ける位置はない。


 星はあるか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る