ss メイド
時系列的には、夏休みが始まる前です。
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例によって、咲夜がネットサーフィンを行っていると興味深い記事を見つけた。
その内容は、『男性の99%はメイドが好き』というものだった。
「なるほど・・・メイドですか・・・確かに以前、メイド専門の店が存在する事を聞いた事がありますね・・・やってみる価値はありますね・・・早速注文を!」
咲夜はすぐさまそれに関するサイトを飛び回るとコスプレグッズを注文した。
即決である。
「ふふふ、もしかしたら襲ってもらえるかも///な~んてねそんな事はないですかね・・・」
咲夜は、妄想を膨らませる。
この前の『ツンデレ作戦』と『ヤンデレ作戦』は失敗してしまったので今回こそはと期待する。
「さて、勉強を始めましょう!」
咲夜は一生懸命勉強を始めた。
ネットに載っている情報を何から何まで貪欲に吸収していった。
そして、結人が帰宅する時がやってくる。
「ただいま〜、って咲夜どうしたの?その格好・・・」
「おかえりなさいませ、ご主人様〜」
「あ、どーも。それで、その服は何なの?」
咲夜は、可愛らしいメイド服に、黒いリボンをつけていた。
だが、メイドの存在をあまりよく知らない結人はピンときていない。
「さ、こちらへどうぞ♡」
まず第一段階は成功です!おそらく好印象でしょう!
「あ、はい。」
なんなんだ?今日の咲夜は・・・
この格好どこかで・・・あ!メイドさんか!
そういえば、聞いた事がある。東京の街中にそれを専門としたお店があるとかないとか・・・
結人は、咲夜に促されていつもの椅子に座る。
すると、咲夜は当然のように結人の上に座った。咲夜の甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
咲夜は、亜空間からオムライスを取り出すと、テーブルの上に置いた。
「凄い、美味しそう・・・でも、咲夜の分はどうするの?」
「ご主人様、もちろん2人で1つですよ♪」
「な、なるほど。」
「では、仕上げをしますね、ご主人様」
「お願いします。」
咲夜は、亜空間からトマトケチャップを取り出す。
これは、咲夜が一から作ったもので、結人の好みの味が完璧に再現されている。
そもそも、結人に食べて貰うために料理の練習をしたのだから当然である。
健康の面でも完璧にコントロールされている。長年の研究によって、結人に必要な栄養量、食べる量、食べるタイミングを最適化しているのだ。
そんな咲夜の家事における欠点と言えば、毛布や服を洗濯する時に、匂いを嗅いでいたら半日程無駄にしてしまう事が稀にある点だ。
その日は、結人が前日から仕事で家に帰っていなかったので、結人欠乏症になってしまったのだ。
咲夜は、可愛らしい丸文字で、オムライスに文字を描いた。
『大好きだよ、ご主人様♡』
結人は、恥ずかしい気持ちでいっぱいになりながら、咲夜を見つめる。
咲夜は、顔を真っ赤にしながら、思いを伝えた。
「愛しています、ご主人様。これからも私を可愛がって下さい♡」
咲夜は、言いながら恥ずかしくなって結人を強く抱きしめた。結人も優しく包み込む。
はぁ〜安心します!やっぱりここは、私だけの特等席です!
「さっ、食べよ、咲夜。せっかく咲夜が作ってくれた料理が冷めちゃうよ。」
「はい、食べましょう。デザートに私もいかがですか?」
「ちょ、咲夜〜」
「ふふふ、冗談ですよ。そういう事は結婚するまで我慢です!はい、こちらが本当のデザートであるいちご大福ですよ。」
「いつもありがと、咲夜!」
「はい!」
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