第3話 共に

・・・・・・空来と出会ってちょうど2年が過ぎようとしていた。・・・・・・


「そういえば、今月の20日で2年になるんだね」


私は、あまり記念日とかを気にしない方で、妻と付き合っている時も結婚してからも良く怒られていたものだ。

ただ、妻が亡くなって時間の流れがゆっくりになった事もあるのか、日にちの経過に敏感になっている事も要因となっている。


「もうそんなに経つのね」

「早かった?長かった?」


空来は私の顔を覗き込みながら話かけてきた。


「そうだね。早かったかもしれない」


いつしか日常の生活に戻ってきていたが、やはり心のどこかで妻に申し訳ない気持ちは拭えなかった。


「2年目の記念日ってどうする?」


私は空来の希望通りの事をしようか、サプライズを考えようか悩んでいたが、そんなバリエーションもアイデアもあいにく持ち合わせていない!!

どちらかと言えば、人に言われて動くタイプで想像力も企画力も無い方だ。


「特に気にしなくて良いのよ」

「時間が合えば一緒にいるだけでも・・・。」


「じゃあ、なるべく仕事は遅くならないように頑張るから!」


空来は軽く頭を下げて「期待しないで待ってる」


妻が亡くなって3年。3回忌も既に済ませて妻のご両親からも前を向いて行って欲しいと言われていた。

そんな気になれなかったが、空来と多くの時間を一緒に過ごすようになってからは、次に進んで良いのかもしれないと思った。


妻のご両親の頼みもあり、私の家には妻の位牌や仏壇といった物は無い。

暫くは写真を飾っていたが、空来との付き合いが始まってしばらく経った時に、机の引き出しにそっと置いてある。


空来を初めて家に連れてきた時には写真があったが、特に空来も何も言わず、何も触れずに時間を過ごしていた。

空来が帰った後にその写真の事に気が付いて、空来にも妻にも悪いことをしてしまったかもしれないと思った。


それから少し悩んで妻の写真を引き出し・・・・・・・・。


自分でも前を向いて行く気持ちが大きくなってきている。

空来との新しい生活も楽しみになっている。

もちろん自分の子供もほしい!!


空来と二人の子供をどう育てていくのかも!








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