遥かなる想いと空からの贈り物

第1話 始まり

・・・・・・・・・・急に眼が覚めた!・・・・・・・・・・


いつの間に寝てしまったんだろう?

やけに長く寝ていたように思った。


「あ~今日も仕事だな=」

誰に向かって言った訳でもないが・・・・。


========ここで自己紹介しておこう!===========


浅見 京志郎 26歳 独身!(今は)

今は独身と言うのは、20歳で高校時代の同級生と結婚したが、1年後に交通事故で妻が早い一生を終えてしまった。


私の運転する車に同乗している時に、信号無視のトラックが助手席側に衝突して即死してしまった。

私は、妻がクッションとなって軽症で済んだが、あまりにもショックが大きく、1カ月以上の引きこもり生活で、誰とも話をしなかった。


当時は食事もしないで朝から寝るまで酒を飲んで泣いていた。

酒はネット通販で購入する生活をしていた。

両親や妹、友達からも心配されたが聞く耳を持たなかった!


そんな時、外に出るきっかけになったのが、今付き合っている空来(そら)という女性と出会った事!

寂しさから、携帯のサイトを見るようになった時、偶然見たSNSの書込みに目をひかれ、何回か見ているいるうちに連絡したのが空来だった!


空来の書込み内容は、どことなく寂し気で自分の存在を消してしまいたいといったものだった。

私も自分の存在を消してしまいたいと毎日思っていた時期なので、空来の気持ちに共感してしまった。

そのうちに、空来の書込みにコメントを書き込むようになり、お互いの想いを素直に話す事が出来た。


・・・・・・・・・1つだけ不思議に思った事があった!・・・・・・・・・


他の投稿者には、いろんな人からのコメントが書き込まれているのに、空来の書込みには誰もコメントを投稿する人がいなかった!


・・・・・・・・・・・ただ1人、私を除いては・・・・・・・・・・。


そんなSNS上のやり取りを何回か重ねるうちに、空来から会いたいと言われた事が外に出るきっかけとなったのだ!!


お互いにSNSを通して人と会う事など経験したことが無かった。


会ってから何を話せば良いのか?


相手の顔も知らないまま、待ち合わせしてうまく出会えるのだろうか?


お互いに勝手に相手の顔を想像しているが、まったくタイプが違ったと思わせるのでは無いだろうか?


空来が遠くから私の顔を見て、がっかりして声もかけずに通り過ぎてしまうのでは無いだろうか?


いろんな思いが駆け巡りながら待ち合わせ場所で待っていた。

緊張からか約束の時間より1時間も早く着いてしまったが、こういう時は「今来たところです」って言うように心の中で何度も繰り返し練習していた。


そんな心の中でつぶやいていると、真っすぐ私の方に向かって歩いてくる女性に気が付いた。

ただ、まだ約束に時間では無かったので彼女とはまったく思っていなかった。


「浅見さんですよね?」


背が私と同じくらいの端正な顔立ちで、聞いていた年齢よりも若く見えた!


・・・・・・・・・・・・・因みに同じ26歳と・・・・・・・・・・・・・


「あ、はい 空来さんですか?」

「そうです。今日は会って頂いて有難うございます」

「いや、こちらこそいい歳して出会い系みたいな事をしてしまって・・・」


とても優しい雰囲気があり、声もとても聴き心地の良い好きなタイプの声だ。

初対面なのにすごく心が落ち着き、懐かしささえ感じていた。


この日から1週間もたたないうちに3回も会う事になり、空来の方から付き合おうと提案してきた。

私は、亡くなった妻の事も初対面の時に打ち明けていたが、何も気にしないからと言ってくれていた。

かなり悩んだが、空来との時間が癒しの時間となりいつしか好きになっていった。

亡くなった妻の妹にも相談したら快く応援してくれた。


「姉さんもきっと応援してくれてると思うから」


周りの人からの応援もあり空来との付き合いが始まっていった!









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