願わくば真夏の落日に死なん

願わくば真夏の落日に死にたいと願う


春の桜嵐もいらない


秋の夕暮れの茜もいらない


冬の白銀の雪景色もいらない


ただ真夏の砂浜に


夕陽が静かに落ちていくのを


黙って見つめたまま


己の瞳に闇が落ちていくことに


ただ涙を流しながら


真夏の落日に死にたいと願う


それだけが唯一の夢である


流れていく白い波に


感情を預けながら


絶望も感動も喜びも虚しさも悲しみも怒りも


全てこの夏色の海に捨てて


魚の餌にでもなってくれればいい

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