少年たちの密談

 小学生の頃、校庭の隅で、僕ら二人はごっこ遊びを始めた。アイツはキバで、僕は剣。なんてことはないヒーローごっこだった。幼い少年の思い出だ。

 拾ったいい感じの木の枝ー醒剣ーを握りしめ、本当に剣戟するかのように振り回した。アイツは逆立ちができたから、空想の中で彼は空を逆さに飛び、ダークネスムーンブレイク。僕はブレイラウザーで受け止めるが、弾き飛ばされて膝をつく。

 次の日、僕とアイツは昨日のように、空想の中で戦っていた。アイツは手にした枝を二つに折り太鼓を叩く。空想の中で、僕はアイツよりも速く、速く、時が止まるほど速く走った。膝をついたのはアイツのほうだった。その日は他にも3人ぐらい、周りで何やら戯れあって遊んでいた。気にも留めなかった。

 その次の日も同じように遊んだ。周りには10人ぐらいの人がいた。気にすることはない。これは僕とアイツの楽しいライダー最強決定戦だ。同じ空想の中で、仮面ライダーに変身して戦う。もちろん本当に殴り合うわけじゃない。イメージを共有して、最強論争をする。言葉と身体の両方を使った舌戦だった。

 その次の日、僕とアイツのそばには20人ぐらいの人がいた。誰かが誰かを殴り飛ばして、鼻血を流させていた。プロレス技を加減なしに決めてるやつもいた。まるで地下格闘技場だった。

 その日の放課後、僕とアイツは教師にこっぴどく叱られた。とんでもないことをしてくれたな、という目でこちらを睨む。僕とアイツはただ、喋ってただけなんた。「ディケイド、何にカメンライドしたら一番強いと思う?」

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