さこゼロのおもちゃ箱(^^)
さこゼロ
原稿用紙1枚以内(四百字以内)の物語
「悪いな、ユメナ。付き合わせちまって」
「別に…頼りないアンタが、ひとりで野垂れ死んだりしたら寝覚め悪いだけ」
ある日突然、俺たちのクラス全体が勇者として異世界召喚に巻き込まれた。
クラス中が歓喜の渦に包まれる。しかし…俺の夢はそこまでだった。
俺だけが…最弱のハズレスキルとして、クラスの仲間から追放されてしまったからだ。
ひとり途方に暮れる俺…
そんな時、幼なじみのユメナだけが、俺の元について来てくれたのだ。
やはり、持つべき物は可愛い幼なじみだ。
「キャーーっ」
そんな俺の思考を遮るように、突然女性の悲鳴が木霊する。
声の聞こえた細い路地の奥を覗き込むと、赤毛のネコ耳少女が巨漢の男に担がれて連れていかれるところだった。
「ユメナ、助けに行くぞ!」
「ハイハイ全く…アンタ弱いくせに、行動力だけはあるんだから」
「悪いな、頼りにしてる」
そう言って俺は笑顔を返す。
さあ、俺たちの冒険はこれからだっ!
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