02 冷蔵庫

ぎゅうぎゅうに詰め込まれて、隣との距離が、物凄く近い。甘く良い香りがする。近づきたいが、動けない。その香りに包みこまれたい。暗い世界で、隣の存在が心を寄り添ってくれた。プラスチック容器に少し下に黒い部分があって、その上に白い部分ある。それはとても心地の良いハーモニーを奏でている。

 その場に、光が差し込む。隣にいた甘い香りが、連れ去られていった。もう戻ってくることは何のだろうが、その香りを忘れることができる気がしなかった。

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