(三)-7
部屋の中にはロザンナと呼ばれる女性がいた。そして彼女の部屋には小さい子どももいた。
「それでジーノさん、何か用なの?」
部屋に入れてくれたが、すぐにロザンナさんはそうジーノさんに聞いた。
「ビアージョさんのこと、まだ覚えているだろう」
「そりゃあ覚えているわよ。忘れたことなんか、あるわけないじゃない」
「こっちのガキがさ、そのビアージョさんの息子なんだそうだ」
そう言ってジーノさんは僕の頭を手のひらでぐりぐりした。
(続く)
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