(三)-3

「この仕事をしてたら、そういう話はいくらでもあるんだよ。まして船乗りが相手ならなおさらさ」

「ロザンナは、いるんだろう」

「ああ、通りを奥に行ったアパートメントに住んでる」

 そう言うとマリアは奥へ戻っていった。

「後で紹介してやる。びっくりするぞ」

 ジーノが笑顔を浮かべながら僕に言った。

「ここって娼婦の館ってやつだよね」

「よく知っているな、このマセガキめ」

ジーノがアンドレアに答えた。

「娼婦の館って?」

「娼婦。体を売る女がいるところだよ」


(続く)

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