三話 メイド少女は留学する
三話 メイド少女は留学する
たとえ王子のお気に入りだったとしても、公爵令嬢が平民の少女をいじめたぐらいでどうこうなるなんてことはあり得ない。
ましてや、公爵家そのものが没落するなんて事態は……
強い力を持つ貴族をどうこうしようなんて、それこそ国王でもそう簡単にはできないことなのだから。
原作でアルベード家が没落したのは、悪役令嬢がざまぁされたのとは何ら関係がない。
ざまぁ展開だけ回避したところで、公爵家が没落してしまっては意味がない。
だから影武者という選択肢は私にとって渡りに船だったし、公爵にとっても私というケレスとそっくりの少女の存在はラッキーだっただろう。
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晴れてケレスの影武者となったわけですが、ケレスの影武者として動くのにイリスという少女の存在は不都合でしかありません。
というわけで、私の影武者としての初仕事はイリスという少女を国外に留学させることです。
長期休みに入ったら、帰ってきたことにすればケレスとも会えますし問題ありません。
「お母さま。私アルベード公爵様の推薦で、ここの士官学校に行こうかなって思うんだけど……」
ちなみに周りの人を納得させるための公的資料などもろもろは、公爵様が全部用意してくれました。
まぁ、どう頑張っても私じゃできないんでね。
「あら、そうなの。ご主人様の推薦なら安心ね、頑張っていらっしゃい」
お母さまは基本的に公爵様の名前を出しておけば、ノーとは言わないのでやりやすい。
で、ケレスもどうせ長期休みに入るまで会えないので、まぁ関係ない。
メイドさん達には、ご主人様が説明してくれるだろうし。
あとは……
あれ?
おかしいな、私この世界にきてちゃんと社会に出て働いてたのに、知り合い少なすぎでは?
よく考えたら私、公爵家と自宅の行き来ぐらいしかしてないような……
転生してから自分で買い物をしたこともなければ、どこかに遊びに行ったこともない。
それどころか友達と呼べるような相手は、ケレス一人だけ。
前世の私以上のボッチなのでは?
ま、まぁ。
影武者として動くのに、知り合いは少ない方がいいからね。
ただのボッチじゃなくて、プラスに働いてるからね。
あとは手続して国から出て、こっそり戻ってくればミッションコンプリートだね。
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