第10話 誰かに

誰かに誰にも知られない場所で陰口を言われた



誰かに悪口を言われた




誰かに怒鳴られた



誰かに追い詰められた




誰かに居場所を奪われた



誰かに罵られた



誰かに誰にも知られない場所で馬鹿にされた



そんな「された」ばかりが集まってきたら



いつの間にか、自分を静かに誰にも見られない場所で支えてきてくれた誰かの言葉を見失っていた



いつかの誰かの大丈夫と言われた言葉



いつかの誰かの信じてますと言う言葉



いつかの誰かの好きだと言う言葉



いつかの誰かの良かったねと言う言葉



いつかの誰かの元気でねと言う言葉



ちゃんと集め直して大事にして巻き返しをはかってみる



自分に誰かがくれた言葉を大事にするために



誰かに愛されていた自分を大事にするために



自分と誰かのために



嫌な言葉より愛された言葉をかき集めるんだ


嫌な奴より


愛してくれた


誰かを忘れないために










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る