海へ行こう

青い空、白い雲。

そして・・・目の前には広い海。

そして一言。

「海だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」




ことの発端はありさの一言から始まった。

それはリビングでまったりくつろいでいた時のこと。

「海行きたいなぁ。」

「どうしたの?急に。」

「急じゃないよ。前から海に行きたいと思ってて友達誘ってたんだけど、みんな予定が合わなくて。」

と悲しそうな顔をするありさ。

その表情を見たシオンが気を利かせ

「じゃあ、一緒に行く?」

と、言うとありさは目を輝かせながら

「え?ほんとに?行く!!!」

と、返事をした。

ありさはあまりの嬉しさに飛び跳ねて喜んだ。

「で、いつ行く?」

とシオンが聞くとありさは光の速さで

「今から!!!」

と目を輝かせながら答えた。

シオンは「はぁ!?」と文句を言いたそうにしてたが、ありさが急かすように出かける準備を始めると、シオンも重たい腰を上げて準備を始めた。




という事で、海に来ちゃいました!

せっかくの夏休みだし、夏らしいことしたいじゃん?

ありさはそそくさとレジャーシートを広げ、パラソルを設置して陣地を完成させていた。


そして陣地の近くの砂で山を作り始めた。

「何作るの?」

シオンがありさにそう聞くとありさは

「お城!小さい時に作って失敗したからリベンジするの!」

そう答えた後すぐに、黙々とお城を作っていた。

その間シオンはお城を作るありさを見ながら、陣地でゴロゴロして過ごした。

それから数時間後。


「出来た!!」


そう声がしてありさの方を見ると目の前には城ではなく塔らしき物が立っていた。


「ありさ、城を作ってたんじゃなかったの?」

「いや~、最初は城を作ってたんだけど、気づいたら塔が立ってました。えへへ」

と一言。

それを聞いたシオンは呆れた顔で

「ある意味天才・・・」

とつぶやいた。

その言葉を聞いたありさが「でしょ!」とドヤ顔をしたのは言うでもない。


それからは持参したおにぎりを食べたり、ありさだけ海に足を入れて楽しんだりと、充実した1日を送ったのでした。


それから日も落ちてきて帰る支度をして、電車で家に帰りましたとさ。



シオンside

「海行きたいなぁ」

ありさがボソッとつぶやいた。

俺は突然のことでびっくりして

「どうしたの?急に。」

と質問した。

話を聞くと、どうも前から海に行きたかったらしいのだが、一緒に行く人がいない。という訳だった。

俺はありさが、あまりにも悲しそうな顔をしていた為、思わず

「じゃあ、一緒に行く?」と聞いていた。

俺自身、夏があまり好きではなく、ましてや海なんて好んで行かないタイプだ。

だが、ありさには悲しい思いをして欲しくない。

そう思ったら勝手に口走ってしまったが、

ありさが目を輝かせながら「え?いいの?行く!!!」というもんだから、可愛くて仕方なかった。

そして、今から行く!と言うもんだから、さすがに今からは行けないと思い、色々言い訳をしたが、ありさが急かしながら準備を始めた為、重たい腰を上げて準備を始めた。


電車に乗り1時間。海に到着した。

ありさは到着してすぐ「海だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」と叫んで走り始めたのを見て俺は元気だなぁ・・・なんて呑気に考えていたのは内緒。

それからありさがせっせとレジャーシートを広げ、パラソルを設置して陣地を作ってくれて、俺はそこで過ごすことにした。


ありさはというと、陣地が完成してから砂遊びを始めていたので、俺はくつろぎながら作ってる所を眺めることにした。

作ってる最中もありさの表情が百面相するもんだから、面白かった。


それから俺は、気づいたら寝てたみたいで

「出来た!」というありさの声で目が覚めて、ありさの方を見ると、立派な塔が立っていた。

あれ?何作るか聞いた時、城作るって言ってたはず。

俺はありさに

「ありさ、城を作ってたんじゃなかったの?」

と聞くと照れた顔して

「いや~、最初は城を作ってたんだけど、気づいたら塔が立ってました。えへへ」

と一言。

俺は呆れながら「ある意味天才・・・」

とつぶやくとありさが「でしょ!」とドヤ顔するもんだから、思わず笑ってしまった。


それからは持参したおにぎりを食べたり、海で遊んでるありさを眺めたりして過ごして、日も落ちてきた為、帰る支度をして、電車で家に帰りました。



帰りの電車の中で、

「今日は海についてきてくれてありがとう!とても楽しかった!」とありさから言われた。

俺は「僕も楽しかったから気をしないで」と言って、笑ってみせた。

ありさは安心したのか、俺の肩に頭を乗せて寝てしまった。

あんなにはしゃいで遊んだから疲れたのだろう。と最寄り駅に着くまで、頭を撫でながら寝顔を堪能したのは言うまでも無い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る