第10話 世界が求めた道具と、世界の終わり。
宮崎駿監督が偶然つくり出してしまった重力石(重力を自由に操れる石)をめぐって、全世界で取り合いになる話。
重力石には、無限のエネルギーが蓄えられているらしく、エネルギー問題に直面している各国には絶対に欲しい代物。
世界にたったひとつしかない。
重力石の影響で生まれた駆動人形が、人間をおびやかしつつある。いまは人間に友好的だが、重力石の暴走で解き放たれた場合、人間を攻撃すると考えられている。
ひょんなことから重力石を手に入れた主人公(おれ)は、好戦的な駆動人形を排除し、追っ手である各国のエージェントからも逃げている。味方は誰もいない。でも平気だ。重力石がある限り、無敵だから。
あるとき、駆動人形の一体によって、重力石の力が無理やり引き出されてしまう。
業を煮やした某国たちが開発した、専用改造式の駆動人形のせいだった。この駆動人形は、近くに重力石があると、暴走をうながす。
暴走は起こってしまった。
辺り一面が、目を刺すほどの炎の光に包まれ、暴力的な橙色で燃えている。動いているものは主人公の他になく、暑さにこらえて目をこらすと、すでに白骨と化した、人間であったであろうものが骨の隙間から火を噴き出している。
この世は終わった。
たったひとつの偶然の産物によって。
それでも主人公はひとり生きていく……。
飲み物や食べ物、人間の生き残りを探して。
足に力が入らなくとも、歩かなければならない。
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