第2話
私、
これまでの人生目立たず地味に生きてきました。成績は平凡、容姿も平凡、運動神経は平均値で親の収入も特に良い訳ではありません。絵や歌が上手い訳でもなく、身長も158だし、出席番号は三船なので大体真ん中辺りと、平凡で平和な人生を無難に謳歌してきました。
しかし、そんな私にも春が来たのです。
この高校に入学した日私は人生で1番の、いや初めての恋をしました。
恋愛ソングや青春ドラマなんてきっと表現の誇張に過ぎない。
そう思っていた私がその瞬間、
時が止まったと思いました。
壇上の上で凛とした態度で話す彼の声が体育館全体に響き渡る。
大勢の視線を一心に浴びても動じる気配すらなく堂々とスピーチをすると彼は一礼して降壇していた。
一瞬の事だった——、その前の校長の挨拶はとても長く感じたのに——。
私は大分出遅れて彼へ拍手を送った。
止まっていたのは私の心臓だったのかもしれない。
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