第23話
怨恨が滲み出ている。
つい先日まで長寿の樹が存在していた場所から。
その樹は周りとは少し異なる伸び方をしていた。
と言っても崖から斜めに伸びているというだけの話だった。
見た目も少し変わっていた。
と言っても周りより少し暗い色をしていて、
模様なのか染みなのか、何かの顔のように見えるそれがある。
ただそれだけの話だった。
元々この樹が邪魔だという声はあったが、伐採するという話が上がることはなかった。
それが最近になって急に伐採の話が上がり、とんとん拍子に話が進み
その樹は綺麗に伐採されたのだった。
赤黒いドロドロしたものが溢れ出した。
どくどくと噴き出ている。
1度は止まりかけたのだが、
この付近を大雨が襲った。
固まったものが表面を覆っていたようだが、大雨で流されてしまったのだろう。
再びドロドロしたものが噴き出した。
むしろ、始めよりも勢いを増している。
気のせいか悲鳴のような声が聞こえる。
ドロドロも悲鳴も今だ止まる気配はない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます