即興速筆物語風味

第18話

今日もデパートを訪れる。

デパートへ行く目的は様々だ。

吹き抜けで飛び回る為。

家電製品のコーナーで寝泊まりする為。

行先不明のエレベーターに乗る為。

などなど。

そんなことをする為、

夢の世界で足しげくデパートに通う。

そして今回の目的は勿論、

デパートを爆破することだ。

早速1フロア爆破してみよう。

いやいやちょっと待て。お前は何を言っているんだ。

私はそうツッコミを入れる。

何故私は他人行儀でツッコんでいるんだ。

今まさに爆破テロを起こそうとしているのは一体誰なんだ。

そんなツッコミをよそにテロ行為は行われる。

本当に早速爆発が起きた。

フロア内の何もかもが吹き飛んだ。

というか自分が居るフロアを爆破するな。

飛ぶように1つ上の階へ移動する。

移動したそばからこの階も爆破される。

再び飛ぶように1つ上の階へ。

逃げ惑う人々が見える。お客さん居たのか。

爆破は順調に行われていく。

私の見ている視点はずっと蝿のように飛び回っている。とても楽しそうだ。

四隅の柱に爆弾を設置してから、屋上まで来た。総仕上げといった所だろうか。

柱が爆破されれば、いよいよこの建物は崩壊することだろう。

そんなことを思っている内にとうとう、

私の見ている視点はどこかの公園に移動した。

何故いつもクライマックスで全く違う場面に変わるんだ。

私の夢で紡がれる物語はいつも長続きしない。

気が付けばまた、広い吹き抜けのあるデパート内を

蝿のように飛び回っていた。