第11話
とある国の、とある城に、とある姫が住んでいました。
姫は毎日暇を持て余してSNSに明け暮れていました。
ある日、姫の前に黒づくめの格好をした者が現れました。
黒づくめの格好をした者は姫を城から攫ってゆきました。
退屈な日々に大きな刺激を与えられた姫はとても嬉しそうに攫われてゆきました。
国の姫が何者かに攫われたという報せは国中に知れ渡り、国民は非常に焦りました。
ということはなく、そもそもほとんどの国民は姫の存在を知らなかったため
知らない人が攫われたと言われても特にピンと来ませんでした。
しかし「姫が誰なのか知らないけど、まぁ攫われたのはまずいことだろう」という考えから少しずつ心配する声が上がってゆき
2,3日後には国中で大騒ぎとなりました。
そんな騒ぎの中、1人の正義感の強い男が立ち上がりました。
「姫様を助けに行こう!!」
男は1人で国を出ました。
姫の居場所は特定出来ていました。姫がSNSで発信した画像から特定したのです。
男がその場所へ勇ましく乗り込みました。
姫はすぐに見つかりました。相変わらずSNSに明け暮れていました。
「姫様を返してもらおう!!」
男がそう叫ぶと黒づくめの格好をした者が立ちはだかりました。
しかし男に1発思い切り殴られるとあっさり倒れました。
「さぁ姫様、国に戻りましょう。馬車に乗って!!」
外には1頭の馬が繋がれた馬車が待っていました。
姫はSNSでこうつぶやきました。
「男性が馬に馬車を引かせてた!!最低な人!!馬が可哀そう!!
馬車なんて無くして男の人が引けば良いのに!!」
姫のつぶやきは国内外問わず大きな反響を呼びました。
姫は大変満足そうでした。
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