第6話


私は問うた。


「良識とは、常識とは、何ぞや」と。


すると誰かが言った。


「それは、人が良しと決めたことにございます」と。


何だそれ。意味わからん。

もう1度聞く。良識とは何ぞや。


「それは、誰かが勝手に決めたことにございます」


・・・・。


よくわからなかった。



気が付くと、私の手には拳銃があった。

私はその銃口を目の前に向けていた。



目の前には猟犬が居た。



私は引き金を引いた。


すると、犬は悲鳴を上げ落下した。


行方はわからないが、すぐに別の猟犬が現れた。


引き金を引いた。犬は悲鳴を上げ落下した。

また別の猟犬が現れた。


引き金を引いた。犬は何も反応がなかった。

どうやら弾切れのようだ。

弾を装填し、再度引き金を引いた。犬は悲鳴を上げ落下した。


別の犬が現れた。引き金を引いた。犬は悲鳴を上げた。

別の犬が現れた。引き金を引いた。反応無し。

弾を装填した。引き金を引いた。犬は悲鳴を上げた。

別の犬が現れた。引き金を引いた。犬は悲鳴を上げた。


終了を告げる声が聞こえた。別の犬は現れなかった。

何だこれは・・・・。





私は目を覚ました。


今しがたの夢をはっきりと覚えていた。


私は問うた。


「良識とは何ぞや」と。


返事はなかった。

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