九十五話 エレディア村
「ピッ!! ピピピッ!! ピピィッ!」
「悪かったって! そんなつつくなよ。」
「ピピッ!」
この村の食糧のほとんどを
収容している倉庫から、
何とか吊るされている状態でペルーを
発見し、救出することができたが、
当の鳥は
もう少しで死ぬところだったんだぞ!
と俺にぶちギレている。
「命があっただけよかっただろ。
俺なんて死んだんだぞ!」
聞いたところによると、
ペルーはタチアナさんと同じところ
に打ち上げられていたようで、
それを見つけた村人が貴重な食糧と
して倉庫の中で保管していたらしい。
「ピィ......」
鳥のくせに同情の目を向けてくる。
「その目やめろよ。それより、
タチアナさんのいる病院に行くぞ。
もう目覚めたって話らしいからな。」
「ピ!」
ジュラ島の地下にあるという
エレディア村。
ここには地上にいた大型の爬虫類は
おらず、人間の天敵になるような存在は
いないらしい。
この村を別の言葉で表現すると、
蟻の巢が一番あっているかもしれない。
人口は下の大陸に比べれば
少ないがが、ヤナハなどとは
全く違う、独自の文明を築いている
ようだ。
村の内部を進めば、所々に
水路があり、この村の子供たち
が石を投げて水切りのような遊びを
している。
「おっさんだれ?」
すると俺を発見した子供たちが
怖がらずとことこ近付いてくる。
「うわー、すっげー! いきてるとりだ!」
「あはは、きもちわるー。」
「ピィ!?」
地下に住んでいれば、当然、地上の
生き物などほとんどを見たこともない
ようで、ペルーに好奇心を秘めた
眼差しを向ける。
しかし、おっさんや気持ち悪は
言い過ぎだろうが。
「君たち、この村の病院って
どこにあるのかな? お兄さんに
教えてほしいんだけど。」
「それならこっちだよ!」
「こっちこっち!」
「こっちだよ! おっさん!」
この村の子供は元気がいいで
何よりです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます