六十九話 見送り2

「悪いな、こんなとこまで来て

もらって。」



「ううん、いいの。費用は隼人が

出してくれたし、それに私も一度、

ここに来てみたかったから。」



「そうか......そう言ってもらえると

助かる。よ、ペルー。......あれ、

少し大きくなったか?」




「ピィ?」



「そうかな?」



毎日一緒にいたせいか、メグは

あまりその変化に気づいていなかったが、

明らかにペルーは大きくなっていた。



「そういえば、もう出発するの?」



「あと二時間くらいしたら、

討伐軍のみんなと船に乗り込む。」



「そうなんだ......」



一ヶ月ぶりの再会なのに、

もうすぐ出発してしまうのかと

悲しい顔をしたメグを隼人は

見逃さなかった。



「それまで時間もあるし......そ、

そこらへんの港町で買い物でも

しないか?」


「え?」



「あ、いや。俺実はまだ旅の支度

ほとんどしてなくてさ、だから──」



「え!? あと二時間で出発でしょ!?

なのにまだなにもしてないの!?」



「いや、だって、訓練で忙しかったし......」



「う、うそ......ほ、ほら早く!

行こ! 時間なくなっちゃう!」



「ぅお!?」


そう言って慌てながら

メグは隼人の手を引っ張り

港町に向かったのだった。










それから二人と一匹は最後の

二時間を楽しんだ。


隼人はまだ旅の支度をしていないと

言っていたが、彼はすでに三日前に

準備を終わらせており、ただ単に

メグと残りの時間をぶらぶら

過ごしたかっただけなのだろう。


一方でメグは本当に旅に役立ちそうな

ものを、必死に選んでいた。



ペルーは合計4回うんこをした。



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