三十話 帝国精鋭隊6

「……わしはタチアナちゃんの

案はいいと思うぞ。」



誰よりも世界を知り、長年魔族と戦い

続けてきた彼が口を開いた。



「確かに、現在の回復魔法士の

人気の無さにより、回復職に

つく職業者が減少し、それに

伴うように平均レベルも下がって

いるのはもはや、目を背ける

ことができぬ問題じゃ。

だからこそ、わしらは

新たに才能のある職業者を

見つけ育成せねばならぬ。

ヨーテルちゃんはさっき、

邪魔になるからいらないと言っておった

が、それは自分の目でタチアナ

ちゃんが開く試験を見てから

判断すれば良い。そうじゃろ?」



「まあ、長老がそう言うんだったら

私はそれでいいわよ。」



「皆のものもそれでかまわぬか?」



一同は長老に頷く。


それを長老は確認し、タチアナに目

を移した。


あとはよろしくの。


そう言われたような気がして

今度はタチアナが進行する。



「では、試験の内容や開催日時は

後々私が報告するとして、

とりあえず、新たな魔王討伐軍に

参加できそうな職業者を選出

する試験を実施することを

ここで決定しておく。

皆にはその試験や選出で手を貸してもら

うことになるだろうが、よろしく頼む!」



「おう! 任せとけ!」



カクバが意気揚々と返事をする。



「それでは解散!」

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