第15話旦那様とは

「表通りに宿をとっていてそこに荷物が置いてあるんだ。そこにいくけどいいか?」

 娼館がある場所は表道理から横道にあり、二人で表通りを目指して歩いていた。

「はい。旦那様」

 旦那様ときいた瞬間、通りを歩いて人が一瞬とまりヒソヒソと話はじめる。ファンリーは一気に血がさがった。

「旦那様だって!よしてくれ!リーでいいよ。リーで」

「旦那様とよんではダメなんですか?」

「旦那様の意味は夫か、大人の関係の旦那様の意味にとらえられる。頼むやめてくれ!」

 ユナもそうだがヨウ国の女性は幼く見える。俺は少女趣味(ロリコン)ではない。けっして。

「はい。わかりました。リー様」

 そっか、私が妻とか恋人に見られるの恥ずかしいのか・・・そうだよねぇ。

 しばらく二人は沈黙しながら歩いていた。

 表通りをでて2件ほど店を過ぎたころファンリーが足を止める。

「ここだここだ。この宿に荷物がおいてある」

 ファンリーの指の先の建物をみると白く清潔そうな建物がみえた。

「ここの食堂はうまいからなにか食べよう」


 店内に入ると大きな声で「いらっしゃいませー」と声をかけられる。

 大勢の人で賑わっていてユナはどうしたらいいのかわからずきょろきょろしてしまう。

 ファンリーは手慣れたようにあいてる席をみつけ誘導してくれて席に座らせてくれた。そして食事名が書いてある紙をみせてくれるがどんな物かさっぱりわからない。

 うーんと悩んでいると。

「ここのクリームスープを食べよう。すごくおすすめなんだ」

 手をあげ店員を呼び止め注文をする。

 しばらくして定員は木の器をもってきて私の前においてくれた。木の器の中身は湯気がたっていて今までかいだことのない美味しそうな匂いがした。一緒に置いてくれた木のさじですくってみると白くとろっとした物と大きく切り分けられた野菜がはいっていてそれを口の中に入れてみた。

「美味しい」

 ファンリーはその姿をみて満足し「だろ」っと一言いって自分自身もクリームスープを食べ始める。

 ファンリーだけ先に食べ終わり、私が食べ終わるのをお茶をのみながらまっていると、「隊長」とここでは栗色の髪の青年が声をかけてきた。

「こいつと話があるからユナ、ゆっくり食べていてくれ。なんか他の物も注文していいぞ。」

 ファンリーは席を立ち店の外にでていった。


 リー様がいないとなんか不安だな。なんか視線を感じるような気がする。

 ニヤニヤしながら脂ぎった顔した男が近づいてきたと思っていたら知らないうちに他の客に見られないように数人の男に囲まれた。

「長い黒髪の女なんて珍しいから覚えている。お前、あそこの娼館の女だろ」

 耳元で言われる。

 背筋にぞっとするような感覚がする。

「あの兄ちゃんといくらで寝たんだよ。」

 だまっていると「なに、お高くとまっているんだよ」と手首をつかまれ引っ張られる。高く手首をひっぱられた為、腕の衣が下にさがり痣が見えてしまった。

 ひぃひぃと気持ち悪い笑声が聞こえる。

「こいつみろよ。痣だらけだぜ。あの兄ちゃん少女趣味な上に虐待趣味もあるみたいだぜ」

 周囲を囲んだ男の一人が「俺はもっと、でるところでてる女ほうがいいけどな」とヤジる。

「離してください」

 抵抗すると一段と引っ張られる。

「離してくださいだって、そそるね。俺もそうゆう趣味があるから楽しもうぜ」

 下の衣あげ足をさわってきた。気持ち悪い。

 声を上げたくても声がでない。

 助けて。

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