第6話 長兄の嘘
久しぶりに良く寝た。
ファンリーは寝台から上半身だけおこし背中に力を入れてぐぅっと背中を伸ばした。
部屋が鮮明に見えてくる。
ここ娼館の寝台だったよなぁ。
ファンリーは幼い頃から兄弟の様に育った幼馴染の真(シン)から娼館に行こうと誘いをうけて固くなに断ってきた。
さんざん断っておいて始めて娼館に泊まったのがこれなのか。真(シン)には絶対に言いたくないな。
うぅ~ん
隣から若い女性の声が聞こえてきた。
え?
ユナが隣に横向きで寝ている。
う。なんでだ!記憶にないぞ。どこどうやってそうなったのか、わからない。
まさしくこれか!
兄上が義姉によく言っている疲れていると頭と体が違うことになると。
この事か・・・。
兄上は馬鹿じゃないのか?絶対ないよ心では思っていたが実際自分がなってみるとなんとも情けない。
こわごわと布団をのけてユナを見る。俺もユナもちゃんと服を着ている。
はぁ。よかった。やっぱり兄上の言っている事は嘘だな。
それにしても体が細いなぁ。
ファンリーは静かに寝ているユナを頭から足先までゆっくりとみる。まっすぐ黒長い髪は肩より長く、顔は小さく薄い桃色の唇から静かな寝息がきこえる。身長も肩幅も小さく全身で抱え込めてしまう大きさだった。
体が熱くなっていくのを感じファンリーの喉の奥がごくりとなく。
無防備に寝ている姿をみてファンリーはなにか込みあがってくるようでくっとがまんをする。
布団を掛けなおそう。
ユナが寝がえりで仰向けにになる。脱げやすい服なのかユナの服前が少しはだける。
え、痣。
胸の上あたりこぶしぐらいの痣ある。
すぐできた痣ではない。
分からない様に服で見えない場所だけに傷や痣がある。
ファンリーは驚いた。
全身、傷や痣だらけではないか。
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