TYT-007 食わず女房
【管理番号】
TYT-007
【妖異通称】
食わず女房/二口女
【危険等級:丁級】
遭遇した場合はなるべく回避・退避します。物品や事象の場合、接触は避けるべきです。このレベルの対象は直ちに脅威となる存在ではありませんが、積極的に関わりを持つことは避けたほうが良いでしょう。
【対応状況】
この妖異を目撃した場合は、帝国妖異対策局までご連絡ください。
【映像情報】
帝国妖異対策局が確保したTYT-007の頭部を撮影した写真映像が保存されています。映像では頭頂部分に大きな唇を確認することができます。
【確認地域】
帝国各地でこの妖異に関連すると考えられる民話・伝承等が残されています。
【関連事件】
[非公開]
【詳細】
頭部にもう一つの口を持つこの妖異については、昔から「食わず女房」や「二口女」としてその存在が伝えられていました。妖異としては個体数が多く、特に都市部においては容易に確保することができることから、他の妖異と比較して調査研究が進んでいます。
この妖異は基本的に《大食いである》ということ以外は特に人に害を為すことはありません。頭部以外は人間とほぼ変わりがないことや、頭頂部の口の食事は基本的には本人の無意識の間に行われることから、自分が妖異であることを自覚しないまま生涯を送る個体もあるようです。
多くの場合、結婚した夫婦のいずれかが自分たちのエンゲル係数の高さに疑問を抱き始めるところから、この妖異の発覚につながっていくことが多いようです。もし発覚した場合でも、その夫婦が裕福であり、かつパートナーが《人外萌え》だった場合には、その後も結婚生活が続けられることが多いようです。しかし、それに当てはまらないような場合には、そのまま深刻なトラブルへと発展することも少なくありません。
昔話や伝承においてはこの妖異が山姥や鬼が化けていた存在であると伝えている場合が散見されますが、実際はトラブルに陥ったパートーナーによる悪意によってこのような表現になったのではないかと考える学説も存在しています。
この妖異の摂食行動は本体部分と頭頂部の口部分とで別々に行われます。頭頂部の摂食は基本的に無意識下で行われますが、意識があるときに行われた事例も報告されています。摂食行動は意識の有無に関わらず通常は深夜の時間帯に行われます。食べ物の嗜好については本体の嗜好と同じようです。また頭頂部で摂食された食物は体内へと送られるわけではなく、途中で完全に消失してしまうことが分かっています。
【対応】
帝国妖異対策局では、特に問題を起こすこともなく、通常の国民生活を営んでいる個体については特に対応を取ることはありません。ただし個体数と位置の把握のため、目撃した場合の通報をお願いしています。
【懸賞金】
懸賞金は懸けられていません。
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