配信終了、お疲れ様でし――


『今回の対決の勝者である【CRE8】チームの皆さまには、スポンサーである【ロクヨンTEC】様より『バイカムⅡ』と『Contrast』をそれぞれ賞品としてプレゼントいたします! スタッフさんたちをはじめとした今回の配信に協力してくださった皆さま、本当にありがとうございました!』


『企業案件、ASMR、外部コラボ、何もかもが初めてだったけど、問題を起こすことなく配信が出来て良かったよ~! 【SEASON】のみんなと一緒で楽しかったさ~!』


『オレたちも楽しかった! 今度は案件とかじゃなく、普通に遊ぼうぜ!』


『お互いにとって実りある、良き交流になったかと存じます』


『またこうして揃って配信が出来る日を楽しみにしているよ!』


 【SEASON】メンバーがそれぞれの感想を述べ、共演した枢たちに感謝の気持ちを告げる。

 仲間たちが話し終わったことを確認したさくらは、そこから話を枢へと振った。


『審査員として参加してくださった蛇道さんもお疲れ様でした! どうでしたか、感想は?』


『あはは……大変っちゃ大変でしたけど、まあ楽しかったです。でも、この後に控えてるメインイベントが怖いなぁ……』


『あんたにとっては炎上への対処が本番だもんね。不謹慎だけど、ちょっと面白いわ』


『こっちは笑える状況じゃあねえんだって……なんにせよ、皆さんお疲れ様でした。盛り上がる配信になって、本当によかったです』


『はい、ありがとうございました! では、【CRE8】チームの皆さん、それぞれ本日の感想となにか告知等がありましたら、どうぞ』


『は、はいっ! 花咲さんも言ってた通り、私たちにとっては何もかもが初めて尽くしの配信だったんですけど、沢山の人たちに支えていただいたお陰で楽しく配信が出来て良かったです! ありがとうございました!』


『告知ですが、私たちは今、2期生ウィークと銘打って1週間全員で企画配信を行っている真っ最中になります。残りはあと2日ですが、良ければ【SEASON】ファンの皆さんもこれを機会に私たちの配信に遊びに来てくださいね』


『明日はわーのチャンネルで配信するよ~! 最終日の配信さ備えで、お小遣い貰うだめにクイズさ挑戦するはんで、是非ども観さ来でけ! ゲストも参加するはんで、お楽すみに!』


『ありがとうございます! 2期生ウィーク、クライマックスに向けて頑張ってくださいね!』


 話を振られた芽衣たちも、口々に本日の感想や現在進行形で行っている2期生ウィークの告知をして、再び司会進行役を担うさくらへと話を戻した。

 伝えるべきことは伝え、出演者たちの挨拶もほぼ完了したことを確認したさくらは、配信を終わらせるために話を締めにかかる。


『改めまして、本日は配信にお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました! 出演者、スタッフ一同、リスナーさんたちに心から感謝しております! では、この辺で配信を締めさせてもらいますね! 今日は本当にお疲れ様でし――』


 優等生の司会進行役らしく、丁寧な言葉と挨拶で配信を締めようとするさくら。

 だがしかし、そんな彼女の言葉を遮って、大きな声を上げる者が現れた。


『ちょ~っと待つさ~! みんな、なにか忘れてな~い?』


 さくらの挨拶を遮って声を上げたたらばへと、出演者一同が訝し気な視線を向ける。

 ふっふっふ、と意味深な笑みを浮かべる彼女の顔を見た枢は、その瞬間になにか途轍もなく嫌な予感を覚えていた。


『は、花咲さん? 急にどうしたんですか? 私たちがなにかを忘れてるって、いったいなんの話……?』


『いやあ、ね? 凄く単純な話だよ~! 出演者は9人。なのにASMRボイスを披露したのは8人。誰か1人、忘れてないかな~?』


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