朱に交われば紅くなる

紅音くおん「はい、というわけで「前巻のあらすじ」。今回は「朱に交われば紅くなる」の話についてさっくりと振り返っていきます…………え、なにこれ?」


冠木かぶらぎ「いや、なにこれって言われても……少年が言い始めたんじゃん。と、いうか何その紙」


紅音「あ、これですか?カンペです、カンペ」


冠木「カンペって……具体的には何が書いてあるのさ」


紅音「えーっとですね……「今回本稿を書くに至ったのは、続き物の作品はどうしても敷居が高くなるという創作特有の問題点を解消するために、各巻のあらすじが必要なのではないかという思い付きによるものです。ただ、一方で、単純な要約では読む方も書く方も面白くないだろうということで、今回のような形となりました。個人的にはゲーム発売のカウントダウンボイスがかなり好きなので、それに近い形で、キャラクターの対話を中心に、既読者でも楽しめるようなものにしたいと思って書きました」ですって」


冠木「いや、ですってって言われても……それ、カンペっていうか、説明文じゃないの?」


紅音「まあ、そうなんですけど、そんなことを含めてつらつらと色々書いてあるんですよ。他にも「ちなみに、この世界は所謂パラレル空間で、なんでもありとなっております」だ、そうです」


冠木「なんでもありねぇ……つまり、突然ここの間で恋愛が発生してもいいってこと?」


紅音「恋愛って……別にいいかもしれないですけど、そんな感情微塵もないでしょ?」


冠木「うん」


紅音「即答ですか……」


冠木「あ、ごめん。傷ついた?」


紅音「別に傷ついてないですよ。なんで傷つくんですか」


冠木「いや、だって、少年って私に対して割とガチで恋」


紅音「さーて、この荒れまくった部屋の写真を送」


冠木「ごめんなさいそれだけは勘弁してください」


紅音「そこまでバレるのが怖いなら部屋片づけてくださいよ。どう考えても学校の敷地内にあるまじき汚さでしょ、あれ」


冠木「だってぇーどうせまた汚れるしー」


紅音「(片づけられない人の理論だ……)」


冠木「そんなことよりも少年、結局月見里やまなしとはどうなったのさ」


紅音「(逃げたな……)どうなったって……どういうことですか?」


冠木「そんなの感嘆でしょ。友達を作りたいっていって学生相談室にやってきたけど、なんやかんやあって少年と友達になることとなった月見里とはうまくいってるのかって話よ」


紅音「わざとらしい説明どうも。まあ、うまくいってるんじゃないですか?何故か一緒に新聞部に入ることになりましたけど」


冠木「新聞部……って、あの朝霞あさかがいる?」


紅音「ええ。もっとも名前が青春部になりそうですけど」


冠木「え、どういうこと?」


紅音「俺が聞きたいですよ全く……なんか知らないんですけど、部長の橘?って人が部活動名のプレートに「青春部」って紙を貼り付けて満足そうにしてたんで、そういうことなんじゃないんですか?」


冠木「あー橘ね……」


紅音「え、知ってるんですか?」


冠木「そりゃあまあ、留年してるからね、流石に知ってるよ」


紅音「……この情報、「朱に交われば紅くなる」にありましたっけ?」


冠木「無かったと思うよ?まあでも、教師が目立つ生徒の名前知ってるくらいは普通にあるんじゃない?特にほら、私、養護教諭だし」


紅音「……忘れてましたよ、その設定」


冠木「ちょっと、設定は酷いんじゃない?ちゃんとした肩書なんだし」


紅音「まあ、でもそれくらいの方がいいんじゃないですか?俺は接しやすくていいですけどね」


冠木「そう?それならいいけど」


紅音「(ちょろっ……)とまあ、そんな感じなんで、ひと悶着あったといえばありましたけど、普通に部活に入っただけですよ。こんな話進まなくて大丈夫なんですかね、この作品?」


冠木「登場人物が作品の進みを心配するって前代未聞だね……まあ、大丈夫でしょ。少年の周りは何かと変……個性的なのが揃ってるし」


紅音「いま変って言いました?」


冠木「特に、ほら。なんだっけ、学年二位の子。彼女が黙ってないんじゃない?ライバル視されてるんでしょ?」


紅音「(また逃げたな)学年二位っていうと佐藤さとうですか?」


冠木「そう、佐藤陽菜ひな。彼女、負けず嫌いなんでしょ?負けたまま引き下がってるってあるのかなって」


紅音「うーん……でも、今まではテストの時しか絡んでこなかったですし、次の中間テストまでは顔を合せることもないんじゃないかと思いますけどね」


冠木「なんか扱いが軽いなぁ……ライバルなんだよね?」


紅音「うーん……どうなんでしょう。勝率が良すぎてそんな感じは無いかもですね」


冠木「うわっ、感じ悪りぃ~……どうしてこんな子になっちゃったんでしょう……昔はこうじゃなかったのに……」


紅音「なんか感傷に浸ってるところ悪いですけど、紫乃ちゃん、俺の子供時代なんて知らないですよね?」


冠木「そりゃ、知らないけど、でもほら、八雲くんに聞けば」


紅音「先生、近くに美味いラーメン屋出来たんですよ。行きませんか?奢りますよ?」


冠木「(逃げたな……ま、いいか。割と根は深いみたいだし)おっ、いいねぇ。行こう行こう。この世で一番美味いのはやっぱり奢って貰ったラーメンだからね」


紅音「教師の言葉とは思えませんね……と、その前にきちんと話をしめてからにしないと」


冠木「おっと、そうだった。なんだっけ?あらすじとかなんとか」


紅音「ええ、そういうことです。まあ、これで良かったのかは分かりませんけどね」


冠木「大丈夫じゃない?ヘタレの少年が、月見里となんやかんやあって友達になったってところだけ頭に入ってれば」


紅音「だれがヘタレだ、だれが」

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