第18話 隔離2日目

2020年2月6日 隔離2日目  横浜・大黒ふ頭


 6:50起床。気分は治った、どこか別のクルーズ船でも陽性者が出たとか(※1)。

 昨夜の鶏肉、米、ハム、チーズ、丸パンを食べる、おいしい。8:20に朝食が届いた。デニッシュにジャムがついたものとクロワッサン、フルーツ、ヨーグルト、ミューズリー、ゆで卵が2つ、オレンジジュースかりんごジューズ、コーヒーがお茶、昼食と夕食の注文票。先に食べているのでクロワッサンとヨーグルトとゆで卵だけいただいた。便通あり。


 8:49のスッキリ!で追加10名の陽性者が出たと、やっぱりな。2月4日5日は警戒して薬をキープしていたが、医薬品の依頼書で24時間以内に必要と申告したので9:30服薬。あと一回分。同時刻にぐっどラックで内側(窓なし)船室の人が携帯が通じないと答えたようなパネルが出たが、昨日沖止めだったときはバルコニー船室からでもダメだった。10:10廊下で声がしたのでドアの覗き穴から見たら欧米系の老人男女がマスクもしないで歩いていた。部屋の外に出るなって。


 10;30のテレ朝ワイドショーの冒頭で陽性者10名追加の公式発表。少し昼寝していると12:00キャプテンアナウンス『追加で10名が陽性のため搬送される、11:00からインターネット回線のアップグレードに取り組んでいる。乗客全員に食事を配布するのに3時間ほどかかっているが、慣れないオペレーションにチャレンジしている。マスクを配布するために入荷する。小グループでデッキに出られるよう当局と交渉中、新たな情報が入り次第報告する。港に救急車がいるのは通常の手順なので心配はいらない』との事。薬については言及なし。昼寝前のワイドショーでは厚労省が検討中となっていた。医師の診察なく処方薬を配布するのは大丈夫なのか興味がある。


 12:51お昼到着。エビ中華丼。ターキーサラダがわりとおいしい。米は半分残す。また昼寝をしていたら15:50に検疫所の人と思しき女性がマスクを2枚くれる。部屋のポストに数独の紙とトランプが入っていた。16:28キャプテンアナウンス『10名は病院へ。当局との協議の結果、内側と窓のみの船室を優先に、手順を定めてデッキに出られることになった。あと30分ほどで案内できる』。


 17:28キャプテンアナウンス『5階、8階の内側船室の人のみ、7階左側のオープンデッキを歩けます。19:30まで。1m以上他者と離れてマスクを着用し、部屋に戻ったら必ず手を洗ってください。明日以降ほかの船室の人も外に出られるように決まりを守ってください』。アナウンス中に新しいクルーズカードが届いた(※2)。


 18:30夕食。何かのパテとプチバゲット、野菜たっぷりビーフシチュー、おいしい。19:20にタムさんが水2L×2本くれた、ありがとう。病院の予約があることを思い出したので、明日電話する。



(※1)ホーランドアメリカラインという船会社のMSウェステルダム号。2/1香港出港後2/8に那覇へ寄港する予定だったが船内に体調不良者がいるという情報に基づき国土交通省が日本国内に入港しないよう強く要請した。ウェステルダムはこれに応じたが行く先々で寄港を拒否され、最終的に2/13カンボジアのシアヌーク港に入る。

(※2)クルーズカードには有効期限があるらしく、更新しないとドアのカードキーとして機能しなくなってしまう。

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