第50話 雪代と雪の旅行の計画

このまま実家に住み続けるのも良いかも知れないが俺は多分.....引っ越さないと駄目だと思っている。

簡単に言えば俺が迷惑を掛けてしまうから、だ。

金銭面とかで、である。

それ以外にも独り立ちをした方が良いかと思ったのだ。


「お兄ちゃんが独り立ちしたらお兄ちゃんのお世話は任せてね」


「お前何言ってんの.....夜空。冗談じゃないぞ。そんな迷惑は掛けられない」


「私達は迷惑とは思ってないよ。アハハ。千佳さんも支えたいしね」


リビングにて。

夜空は言いながら笑みを浮かべる。

俺はその言葉に苦笑しながら.....夜空を見る。


そうしていると.....なんかインターフォンが鳴った。

俺は?を浮かべてインターフォンを見ると。

そこには.....雪と照魔くんと.....春香さんが立っていた。

俺達は顔を見合わせてから玄関ドアを開ける。


「みんな」


「こんにちは。いー先生」


「こんにちはです」


「.....こんにちは」


どうしたんだコイツら?

考えながら見ていると.....雪さんが俺に向いた。

それから、旅行行きませんか、と提案してくる。

え?旅行.....?

俺は見開きながら見てみると。


「みんなの気晴らしもありますが.....いー先生と千佳さんがもっと仲を深めればと思いまして。どうでしょうか?」


「.....因みにどこ行く事になるんだ?」


「えっとですね。ここから7駅先の温泉街です」


「.....でもお金とかどうするのよ」


雪代先輩が出すと言ってます、と苦笑いの顔を浮かべた雪さん。

またあの人かよ、と思いながら.....俺は額に手を添える。

全くもう.....何でもかんでもお金を出してくれる。

有難いんだけど.....。


「僕も行きますよ」


「だね。照魔」


「.....すっかり仲が良くなったんだね」


「はい。お陰様で決意出来ました」


「.....良かったね。お兄ちゃん」


確かにな。

しかし俺は何もしてないんだが。

考えながら俺は.....照間くん達を見る。

でも今は行けないけどな。

と思いながらみんなを見る。


「今は行けない。ゴメンな。雪さん」


「それは私も同じですよ。.....ね。夜空ちゃん」


「テスト面倒臭いね」


「僕もテストです」


「私も.....」


テストばっかりだな。

俺達は苦笑し合いながら.....クスクス笑う。

しかし旅行か。

行っても良いのかな。

考えながら俺は顎に手を添える。


「私が居るから問題はない」


「.....うわ!?雪代先輩!?」


「え!?」


俺達は驚愕して急に現れた雪代先輩を見る。

フッフッフ。この旅行はみんなとの仲を深める為の旅行だよ?、とニヤッとする雪代先輩。

あちらこちらで恋人が生まれている様だからね、とも、だ。

俺は、ま。まあそうですが.....、と苦笑い。


「このチャンスをものにしない訳にはいかないよ。アハハ」


「それは雪代先輩もですよね」


「わ、私は良いんだよ」


「良くないですよ。長谷川先輩との仲を深めないと」


「私は良いんです!」


口を尖らせるのが笑えるな。

良いのってまるで少女だ。

いや、少女ではあるのですが.....。

俺は苦笑しながら.....真っ赤になっている雪代先輩を見る。

雪代先輩は、も。もう、と言いながら横を見る。


「それはそうと君達も上手くいっているのかい!?」


「あ。誤魔化しましたね」


「イスカ君?そんなに深追いしたらそれなりに怒るよ?」


「あ、す、すいません.....」


ニコッと笑顔を見せる雪代先輩。

それから、もー。全く、と言いながらプンスカ怒る。

俺は、やり過ぎたか、と思いながら謝る。

それからみんなを改めて見た。


「有難う。みんな」


「気にしないで下さい。半分が雪代先輩のお陰です」


「私のお陰もあるけどみんなが良い人だからだよ。お陰ってのはおかしいからね」


「そうだね。お姉ちゃん」


さてこれは楽しみになってきたね。

と笑顔を浮かべる雪代先輩。

色々あったしな。

たまには羽を伸ばすのは良い事だろう。

考えながら俺は.....同じ様に笑みを浮かべる。


「千佳にも連絡しないとな」


「そうだね。お兄ちゃん」


そんな会話をしていると。

向こうの方から山根が歩いてきた。

俺は?を浮かべて.....2つ編みで眼鏡を掛けている山根を見る。

山根は俺達にビクビクした感じで見てくる。


「山根さん?どうしたんだい?」


「.....勇が逮捕されたって聞いて.....情報を知りたくて来ました」


「.....!」


「.....どうなんでしょうか?」


山根はビクビクしながら聞いてくる。

俺はその姿にみんなと顔を見合わせる。

すると雪代先輩が、勇さんはよく分からないよ。私達も情報が無いんだ。

そこまで言ってから手を叩く雪代先輩。


「そうだ。それはそうだけど君も一緒に旅行しないかい?私達と。君は.....イスカ君と知り合いなんだよね?」


「.....え?旅行って.....」


「そうですね。それ良いかも知れないです」


「だね。雪」


え、え?、と困惑する山根。

目をパチクリしながら、である。

俺はその姿に苦笑しながら、山根。実はな。旅行を考えているんだ、と言う。

山根は目を丸くして、そうなの?イスくん、と聞いてくる。

言葉に頷きながら俺は笑みを浮かべた。


「.....まあ無理矢理じゃないからな。お前の都合もあるだろうし」


「行きたい.....私。.....楽しい事したい」


「.....そうか。なら行くか。お前も」


何人集めれるか分からない。

だけど.....色々な人達と楽しんで旅行したいもんだな。

考えながら俺は.....旅行の計画を立てる。

多分行けるとするなら7月ぐらいか.....、と思う。

それまでに色々予定を空けないとな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る