逸脱した女神12
「くそ、放せこの!」
泥団子になってしまったクレイドールを懐にしまうとルニアは立ち上がり両手を広げた
すると崩れていた建物がみるみると元に戻って行く
「これでよしっと」
「すごい、全部元に戻っちゃった」
「そりゃそうよ、破壊と創造、そして再生は私の権能だもの」
建物を元に戻すことくらいならば異放の力を使わなくても十分こなせる
ルニアはため息をついて天使たちと合流した
「女神様ご無事ですか! ああもうこんなに汚して、ちょっと待ってください!」
まるで母親のようなラエトリアが取り出したハンカチで泥で汚れたルニアの顔をぬぐう
「ん、ん、もういいってラエトリア君」
「だめです、ほらここもここも、お召し物も汚れてますのでこちらに着替えてください」
「オカン・・・」
「誰がオカンですか!」
ルニアは思わずつぶやいてしまった
二人の様子はどう見ても母親と娘に見えた
いや、母親のような父親と娘の方が正しいか
「これで危機は去ったのでしょうか?」
「たぶんね。こいつかなりの力の持ち主だったわね。どこか弱いよ、強すぎるっての」
大幹部は一人で世界を支配、破壊できる者ばかりだ
その大幹部の下にはそれぞれに幹部がついている
大幹部が何人いるのかも、幹部にどれほどの実力者がいるのかもわからないが、アカシックレコードたるパリケルがその辺りのことも調べているようだ
「さてと、とりあえず帰る? 神宮司さんにも別れを言いたいし」
「もう行くのですか? もう少しゆっくりしていけばいいですのに」
「ごめんね、別の世界でもウルが暴れてるはずだから急がないと」
「そうですか、ありがとうございました女神様、もし女神様がいなければ私達だけであいつを倒すことはできず、恐らくこの世界は・・・」
何度もお礼を言うえりか
その後は神宮司の家に戻る
そこからえりかが色々とお礼の料理をふるまってくれ、各々が楽しんだ
ラナはから揚げ、ソラはてんぷらにドはまりしててぱくついている
「ほらほら口に食べかすがついていますよ」
オカン力を発揮しまくるラエトリアは天使含めて子供達、ルニアの世話を焼きまくっている
食事会も終わり別れの時間となる
世界を壊せるほどの力を持った大幹部たち
本来世界を壊せるほどの力を持つ者はいない
それにもかかわらずウルの内部にはかなりの数の大幹部がいるようだ
ルニアはそのことが心配でたまらなかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます