第20話 誓い

 レオ達は盗賊を拘束して休んでいた。カイが急に倒れてしまったため今夜はこの場で野宿することになった。かなり無理をしていたのだろう。体がすごく熱い。


「クリス。ほんとに大丈夫なの?」


「大丈夫だ。俺に任せろ。戦場では全て自分でやらなきゃいけなかったんだ。全力を尽くす」


「お願い。カイを治して」


「わかってる。それより俺が心配なのはお前だレオ。お前、初めて人を殺しただろ? 大丈夫か?」


「うん...それは考えると手の震えが止まらなくなる。でも、あの時はクリスが死ぬほうが嫌だったんだ」


「そうか、悪いことをしたな。だが、復讐をするのならいずれは通らなきゃならない道だ。お前が感じている怖さは命の重さを感じている証拠だ。命の重さを忘れるなよ? じゃなきゃお前はお前じゃなくなる。それはもう怪物だ」


「絶対忘れないよ」


「俺との約束な?」


「うん!」


「絶対に守ると誓う約束はこうやるんだ」


 そういうとクリスは自分の握った拳から親指を立てて親指の腹を少し噛む。そしてこちらに見せる。すると血が少し出ている。


「同じことをするんだ」


「わかった」


 レオも同じことをやる。


「これを合わせるんだ」


 そう言うとクリスは自分の親指とレオの親指を合わせる。


「誓うんだ」


「僕は命の重さを絶対に忘れないと誓います」


「よし!じゃあおれも。お前達を絶対に守り抜くことを誓う!」


「ありがとうクリス。僕たちも守られるだけじゃないさ。もっと強くなる」


「頼むぞ?と言いたいが俺もそんな上から言ってる場合じゃないな。今回は本当に死にかけた。お前たちに言ってたことが何もできていなかった。もっと精進する」


「クリスもまだ修行途中だったんだね」


「ワハハハ! その通りだレオ! 強くなろう!」


「うん!」


 命の重さを知ったレオ。さらに強くなろうと誓った2人。ほったらかされ高熱でうなされているカイ。この3人を中間地点の街であるガリモォ。ここでは何が待っているのだろうか....

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