第7話
「起きちゃった?」
(この男。さっき迄一緒に飲んでた人)
「何ですか? これ」
「抵抗されても面倒だから、女、犯す時は縛るようにしてんだよね」
そう言うと男は、いやらしく下品な笑みを浮かべて、こちらへ向かってきた。
「やめて……」
恐怖でかすれてしまっている声で、必死に懇願する莉菜。
「お願い……」
しかし、男は無情にも近づいてくる。
「何で、こんな事するの?」
ベッドの上でもがく莉菜。
「何、される分かってると思うから、抵抗しないでね? 無駄に痛めつけたくないからさ」
男が莉菜に跨がる。
莉菜の顔が絶望に歪む。
ドンドンドンッ!
「あぁ?」
男は扉の方へふり返る。
「お客様! お客様!」
廊下から、男性の声が響く。
「ちっ!」
ガチャッ。
「なんす……!っ」
扉が開くや否や、男はもの凄い物音と共に、後方へ吹っ飛んだ。
莉菜は唖然とする。
何が起こったのか、全く理解出来ない。
そんな中、次に飛び込んできた情報は……
「莉菜っ!」
蓮の声だった。
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