第32話 棚丘隆也とハル先輩-10-
12月17日
兄貴や兄貴の友達のライブ開催の時の雑用(機材搬入など)
それにライブハウスのチケットの受付などのバイトを沢山こなして、1週間にして目標お金が貯まった
色々考えて浮かんだのは
邪魔にならないもの、使い勝手が良いもの、普段から身につけるもの
幾つか候補を練った結果、ネックレスがいいかなぁと思った
物は、ハルさんが好きなバンドのボーカルさんが付けているものを調べたからそこに絞っている
兄貴にもちょっと聞いてみたら
少し前にそのバンドのボーカルさんのネックレスについて話していて、まだ入手してないとの事で、尚のことと思った
24日は、兄貴が1番お世話になってるライブハウスでライブとクリスマスパーティーを夕方からやることになっていて、ハルさんが言ってたように身内はみんな集まるようだった
内心、ちょっとホッとした部分があった
もし、何も無かったら、プレゼントを渡すために直接ハルさんを誘わなければならない
普段ならなんてはことはないけれど
世間の認識ではその日はクリスマス
もしハルさんが予定入ってて断られたら、、
と思うと不安が斜め上から覗いていた
現実ではたなりゅーが覗いていた
Am〇zonで目当ての商品を購入してる所をにやにやしながら
「中学生のくせに、えらい値の張るもん買うてますやん」
お前も中学生だろ
「あ、そでした」
おどけるように笑うたなりゅー
「て事は、分かってるって事ですかね?」
一転、真剣な口調に変わった
「なにがだよ」
「冬馬くんの弟だから、そんだけやあらへん事と、雪くん、ハル先輩、2人の自身の気持ちですやん」
みなまで言わさんで下さいよ、と軽く口を尖らせる
やれやれと手のジェスチャーまでつけて
「当の本人たちより、俺や冬馬くんがそわそわしてまいますやん」
「なんでだよ」
「そりゃそ、、って分かるならここまで引っ張らへんすわね。なんでもないっす。」
変に引っかかる言い方をしてたなりゅーは、まっとりあえず後は当日って所まではにはなったしええですわ
と、あっさり手を引いた
ていうか、たなりゅーこそマネージャーさんとどうなんだよ
「いやいや、俺らは普通に認識も付き合ってるって確認も周知もあるんで、雪くんとはちゃいますがな」
「なんで、煽るような言い方するんだよ」
「煽るやなくて、気遣いですよ」
なんだか揚げ足を取られてる感覚になる
そうそう、と
「サプライズも大事ですけど、持ってたら気まずーなるんでそれとなーく察するように冬馬くんとちゃんとその辺はぬかりなくしといたんでご安心を」
2人ともなんでそんなに当の僕より構うんだよってツッコミそうになったけど
確かに、24日までに絶対手に入れてない保証は無いから、言いたいことはあれど有難いと頭が下がる
さーあと1週間
心して過ごしましょーね
他人事のようにも、そうでないようにも取れるような口調とトーンでたなりゅーは言った
あと、1週間
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