カタリーナ クロニクル

赤髪のLaëtitia

序『運命』

~プロローグ~

 『運命』って何かって、考えてみた事、ある?


 ほら言うじゃない、『運命』とはその者が歩む見えざるレールだとかって。

 ……え? 聞かない?


 気付くと私達はそのレールに乗っていて、ある時は従い、ある時は抗い、時に流され、翻弄されながらも己の人生を全うする。


 そう思わない? 


 ところでそのレールって誰が敷いてるのかしらね。


 全知全能の“神”がいて、それが予め用意してるとか?

 それとも風が吹くのと同じで、“この世の理”に従って自然と出来るものかしら?

 

 何れにせよ私の乗ったそのレールは、ちょっと普通と違ったの。


 “普通”が何かって考える余地はあるだろうけど、例えばドラゴンとの死闘、悪魔の憑依、天使殺し……パッと思いつくだけでもこれだけある。


 これって“普通”じゃないわよね?


 ……思えば波乱万丈の人生を歩んできたわ。

 だけど、漸く穏やかな毎日を過ごせるレールに乗ったみたいなの。


 せっかくのこんな機会だから、これまでを振り返りながら『運命』ってなんなのか、私なりに考えてみようと思ってる。


 それにね、他のみんなには内緒だけど、今、私には“神の力”も備わってるの。

 どうしてかって? ふふ、それは、おいおい紹介するとしましょうか。

 

 これからお見せするのは、この“力”を用いて並べた私の記憶、世界の記録、


            『Catalina Chronicleカタリーナ クロニクル

 

 さて……では私の数奇な半生とそれに関わる世界の歴史を、振り返ってみようかしらね。

 

(第1章へ続く)

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