第6話 商人ヘンデル
俺は
草原狼の毛変わりの件を教えてくれた
商人達に結構驚かれてしまった様だ
商人)「たっ沢山持ってるとは?」
礼司)「あ〜ぁアレはですね
材料さえ有れば何本でも造れるんですよ
今も素材採取で魔境に向かう所を
このアホ盗賊達に邪魔されてた所なんです
行き成り襲って来やがって
いい迷惑ですよ
では橇内で治療を行ないますので」
商人)「………………」
(何本でもエリクサーを造れるだと!?
それが若しホントならエラい事だぞ!)
俺は重力魔法で二人の子供を宙に浮かせ
クリーン魔法を掛け身体を綺麗にしてから
治療を行う事にした
神眼の言う通り
此処は魔力量で押せ押せで解決して行くしかこの二人を救う方法は無い
きちんと養生だってしなければ
なんぼ万能エリクサーだからといって
治る訳では無いのだ
礼司)「すみません
馬橇内に閉鎖結界を張りますので
室内から退去して下さい」
馬橇内から商人達に降りて貰い
白コート、白頭巾、マスク、ゴム手に
収納機能で瞬着チェンジの着替えだ
小さな結界を造り結界内をエタノールで消毒
その結界を更に大きく広げる
そして床から70センチ位の高さに結界ベットを左右に構成し子供達を横にさせた
Sプラスポーションを霧吹きに入れ
子供達の手首足首に霧を吹き掛け様子を見る
やがて手首足首に光が差し
壊死していた部分の肉が蘇った
次にポーションのキャップを開け
霧吹きボトルのポーションをふたつに分け
空中でポーションボールを作り
子供達の口腔内に入れ
首を少しもたげたりしながら
喉の奥へと流し込んだ
暫くすると再度身体が発光し
ポーションが効いた事を確認
タオルケットを複製し
子供達を簀巻きにし
モミジとカエデに二人を預け
プレハブ内の部屋に
寝かせる様に指示を出した
商人達は不思議そうに
馬橇の外から見詰めていたので
状況だけは説明をした
礼司)「治療は終わりましたが
肉体が酷く衰弱してるので
次にライフアップポーションを飲ませ
回復を図ります」
商人)「凄いです!
まるで夢の様な画期的な治療でした!」
商人の護衛のため着いて来ていた
冒険者らしき人物も大きくウンウンと何度も頷いていた
商人)「治療が終わりましたら
少しお話しをさせて戴けませんか?」
礼司)「二三日は安静にさせますので
暫しこの場所に逗まります
なので大丈夫ですよ
1時間後プレハブの方に来て下さい
因みに悪意有る者は結界を通れませんので
其処だけは御理解下さい」
俺はプレハブに戻り
子供達にライフアップポーションを飲ませ
そのまま寝かせて置く事にした
因みに霧吹きは車内清掃のため
3本入りパックを購入していた物だ
まさか医療行為の役に立つとは
タオルケットも複数枚車に積んで有った物で両方共に複製して数を揃えていた物だ
一時間後無事結界を通り抜け
商人達がプレハブを訪ねて来た
どうやら今日は俺と話すため
街道の向かい側に態々キャンプを張る様だ
礼司)「無事結界を通れた様ですね
ではお話しの件伺います」
ヘンデル)「ええ
無事通る事が出来ました
先ずは私から名乗らせて頂きます
レイボア王国商業ギルド本部のギルド長を拝命しておりますヘンデルと申します」
キラスカ)「俺はレイボア冒険者ギルド所属のAランク冒険者のキラスカと申します
現在鋼の牙と云うパーティリーダーをしております」
礼司)「自分は治癒師で礼司といいます
大魔境の素材が欲しくて
東方沖の島国からやって来ました
二人の女性はキーパーのカエデとモミジと申します」
(そんな島国なんかホントは無いけど
神眼設定で話しを通す)
ヘン)「特徴的な黒髪黒目
やはり東方の方でしたか
東方ではとても進んだ
治癒師の方達ばかりなのですか?」
(えっ!?
俺みたいな奴等他にも居るんかい?)
礼司)「自分は祖国でも異端の存在でした
何方かと云うと古代魔導帝国の魔導医学や魔導科学を勉強しておりました」
ヘン)「では
古代魔導文字が読めると云うのですか?」
礼司)「勿論読めます
但し自分の生まれた国でも
読めるのは自分だけでした」
ヘン)「やはりそうでしたか
同じく此の大陸でも大量に本は残ってはいますが解読はされておりません
独自に勉強されたのですか?」
礼司)「そうですね
個人的に勉強しました」
(本当は創造神様から貰った
全言語理解のお陰何だけど
ともかく何でも古代魔導帝国と言っとくか)
その後捕縛した盗賊の件で話し合いになり
俺は全員盗賊として売り払うとしたが
ヘンデルさんが上手くお金にしてくれると云う事で柄杓グループはお任せする事にした
冒険者のパーティに関しては
確信犯で以前から黒い噂が多々有ったので
全員鉱山奴隷として売り払う事になった
後は馬が6頭と馬橇二台もお任せする事にした
そして二人の子供達に関する件だが
子爵は元々公爵家の次男坊で素行が悪く
王都で問題行動ばかりを起していたため
辺境伯家に頼み込み無理矢理預かって貰っていた様だ
今回他国の旅行者に対し行なった盗賊行為
違法奴隷等が公になれば
公爵家の面目は丸潰れだし
それに王都には次男坊の被害者達が大勢存在しており表面化すると公爵の地位すら危うくなるのは明白
そこで俺は慰謝料として子供一人に対し
金貨300枚を要求する事にした
若し要求が却下されるのなら
全貌を瓦版にして王都中にバラ撒くとした
(※金貨1枚が約10万円
貨幣の単位はエル、1エル1円換算
含有率に関しては
日本国インチキ金貨よりは上だな)
ヘン)「話しは変わりますが
何故この原野に家を建てたのですか?
また10日程前に通った時は影形すら有りませんでした
魔法でも使ったのですか?」
礼司)「ああっ此れは収納を利用した
移動専用の魔導住宅なんですよ
要は持ち運びが出来る
テントみたいな物なんです」
ヘン、キラ)「「エッ!?………………」」
どうやら此のプレハブ住宅には二人共に
驚いた様子だ
次に医療行為、ポーションや医薬品の事に話しが及んだ
ヘン)「レイジ様のポーションや医薬品は
どのレベルまで製造が出来るのですか?
また数量はどれ程出来るのですか?」
礼司)「魔力位が高いので
最高位の物までは全部造れます
数は素材が有る分だけですが
幾つ造れるのかは試した事が無いので
正直分かりません
瓶と素材が有れば
万単位でも造れると思います
但し最高位のGdポーションに関しては
世の摂理に反しますので門外不出にしております」
ヘン)「すみません
Gdポーションとは一体なんなのでしょうか?」
礼司)「神のポーションで
要は怪我が完治し若返りと寿命が伸びる効果が有ります」
ヘン、キラ)「「………………………」」
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