広島さんが私を離してくれない

猫田

不審者

 私は純粋にカープの試合を楽しみたかった…だけなんだけど。

「今日は久々に勝てそうじゃのぉ!!!」

 なんか隣からめっちゃ話しかけてくるやつおる。内心うっせぇうっせぇうっせぇわと思いながらも調子のいいカープの試合に没頭していた。


 観戦が終わると、その人は着いてきた。

「あの…ちょっと着いてこないでもらえます?訴えますよ?」

「わしゃアンタのこと観察しょーるだけじゃ」

 それをストーカーって言うんじゃないの…と思いながら、私は足早に帰った。途中から着いてこなくなったので、一先ず安心した。


「今日のカープは調子良かったな~いっつも

あんな感じでいいんじゃけど」

「詩織帰っとったんじゃ」

「あー美空、おかえり」

 歯磨きをしながら洗面所から出てきたのは中学2年生の妹、美空みくだった。

「そんなんどうでもいいんじゃけどさ、冷蔵庫ん中入れとったプリン知らん?」

「あ?知らんよ、誰か食ったんじゃないん」

「うーわ最悪」

「すまんそれ食ったんわしじゃ」

「父さん最低明日買ってこんかったらぶん殴るわ」

 申し訳なさそうにしてる眼鏡はうちの父親。KYとしても有名。

「飯食ったしうちもう寝るわ」

「何言っとん詩織歯磨きしとらんじゃろ」

「歯磨きしながら喋りんさんなや、てかお母さんどこ行ったん」

「もう寝た」

「あっそ」

 とんでもなくどうでもいい話が進んで、なんやかんやあって自分の部屋に入ると知らん人がいた。

「誰」

「わしよ、覚えとらん?」

「ストーカーの人?」

「そうよ、覚えとるじゃん」

「もううち寝るけぇ」

「そうなん、おやすみ」

 取りあえず今日は疲れたので寝ることにします。また明日!おやすみなさーい。

「あ、電気消して」

「おっけー」カチッ

 そういえば知ってますか?目を閉じて2分以内とかに寝れる人って普段の睡眠が足りない人らしいですよ、皆さんはどんくらいで寝付けますか?

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