未明

未だ夜は明けず

ふらふらと

アスファルトに

支えられ

歪む世界に

別れを告げる




未だ夜は明けず

喫煙所の

メンソールの死骸が

狼煙に見えて

仕方ないのだと


未だ夜は明けず

都会の形相は

いつもと変わらず

眠らない街は

眠らせて貰えないのだと


酔いによった人々を

浮遊させないように

頭をアスファルトに

押さえつけている


未だ夜は明けず

空高く

白くたなびく

雲の奥

空は種火の消えないよう

そばにいる



閉め切った部屋

久しくカーテンを開けていない

つけっぱなしの液晶

青白く部屋を終末色に染める

お酒の缶を数個拾って

諦めて

ベッドに投げ捨てる

昨日のまま

変わらない部屋。

帰ってこないで

ずっとどこかにいたいな


眠らない私は

眠らせて貰えないのだと



未だ夜は明けず

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