第10話 家族と偽ステータス
いつもご飯を食べているホールに行くともうみんな集まっていた。
「よし、みんなそろったな」
「「「「「いただきます」」」」」
俺たちは席について食事を始めた。
この間ノフィは部屋の隅のほうにいた。
そして、食事も一段落したころで、父さんが
「それでルイトどうだった?」
早速聞いてきた。
「はい、たくさんの神様からかごをもらいました。
そういって隠匿した後のステータスを見せると、
「「「「………」」」」
全員が黙ってしまった。
(あれ俺なんかやっちゃいました?)
そう思っていると、父さんが
「なんだその魔力量は。しかも魔法適正が主な5属性すべてとは」
すると、その言葉に母さんが
「それだけじゃないわ。加護の多さが異常よ、しかもどれもレベル2以上よ。アイテムボックスもあるし」
するとずっと何かを考えていた兄さんが
「ねえ父さん空間魔法って何?」
その言葉に父さんと母さんは固まってしまった。
(え、空間魔法ってみんな知らないの?)
俺は心の中で盛大にやらかしたと思っていた。
するとノフィが
(多分誰も持っていないよ。ルイト君ぐらいじゃないかな)
そういってきた。
すると、固まっていた二人が
「これは少し考えなおしたほうがいいな。下手に知られると軍に連れていかれるかもしれん」
「そうね、ルイトこの件は誰にも言わないでね。二人も」
そういわれて俺と兄さん、姉さんは分かったと伝えた。
そのあと、父さんから
「ルイトは何をしたいんだ?」
と聞かれた。
俺は少し考えた後、
「冒険者になって世界中を回ってみたいです」
と答えた。その答えにみんな驚いたようだが
「ルイトならなれると思うぞ」
と応援してくれた。
食事が終わってそれぞれが自分の部屋に戻ろうとしたら父さんから
「ルイトは残りなさい。話がある」
と言われた。そこで俺も
「分かった、僕も話したいことがあるから」
というと父さんはうなずいた。
みんなが部屋に戻ったあと
「ルイト執務室に行くぞ」
と言われて俺たちは父さんの執務室に向かった。
執務室は完全防音で秘密の話をするにはもってこいの場所だ。
部屋に入ると早速父さんから
「それでルイト、話っていうのは?」
という質問がきた。
「父さんの話からでいいよ」
と返すと「先に言いなさい」と言われた。
なのでしかたなく、
「実は隠してたことがあって...」
「精霊のことかい?」
「うんそうだyってえー。なんでしってるの」
俺は話そうと思っていたことの内容を父さんに正確に言われて動揺していた。
「やっぱりか」
そういいながら父さんは何か納得したようにうなずいていた。
もう俺は隠せないなとも思いつつ
「なんでわかったの?」
と気づいた理由を聞いてみた。
すると意外な答えが返ってきた。
「お前のステータスの中に精霊の加護が異様に多かったのと称号に精霊の愛し子ってあったからだよ」
(なるほど、そういうことだったのか)俺は心の中で納得していた。
すると父さんが
「だが、ルイトが話そうとしていることは分からん」
と言って話すように促していたので、正直に
「実は僕精霊が見えるんだ」
そう伝えた。
「ほんとか?」
父さんは驚きながらも妙に何か心当たりがあるような顔をしていた。
すると父さんは俺が真剣な顔をしているのを見て
「ほんとなんだな。しかし、これで陛下に報告することができんことが増えたな」
と悩んでいた。
そこに俺が「実はもう一つ...」というと
「まだ何かあるのか」とため息をついていた。
そこで俺はもう一気に言ってしまうことにした。
「実は精霊が僕の近くにいるんだ」
そういうと父さんは完全にフリーズした。
それから父さんはなかなかフリーズから復活しなかったので、執務室のポッドを使って紅茶を入れた。
ちなみにこのポッドも魔道具で、水を入れて魔力を通すとお湯になる。
紅茶を父さんに渡すとフリーズから覚め、紅茶を飲んで父さんは一息ついた。
「それで精霊様は今もいるのか?」
「うんいるよ、おいでノフィ」
そういうとノフィが姿を現した。おそらく今は父さんにもノフィの姿は見えているだろう。
ノフィは今まで執務室の端のほうにいた。そこで俺と父さんの会話を聞いていた。
するとノフィが姿を見せたとたん父さんが膝をついて祈りだした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます