第8話 ノフィとの契約
俺とノフィだけが残った。
「それじゃあ俺もそろそろ帰ろうかな」
「ちょっと待って、まだ一番重要なこと終わらせてなかった」
「今のより重要なことってあるの?」
「うん、ルイト君僕と契約しないかい?」
「契約っていうとあの?」
そう、この世の中には契約というといくつかしかない。
一つは、奴隷契約。これは一方的なものだ。
一つは、従魔契約。これもよっぽどのことがない限り従魔は契約者を裏切らない。
そして最後におそらくノフィが言っているのはこれだろう精霊契約だ。
これは人と精霊が契約することを指し、お互いが対等な立場となるためどちらからでも契約破棄が可能となる。また、精霊自体が人と契約しようとすることがめったになくほとんど行われていない。
「そうだよ、僕と精霊契約をしてほしいな」
「俺は別にいいけど本当にいいの?」
「うん、それにルイト君にもいいことあるよ。精霊魔法が使えるようになるんだ」
「ほんと!」
「うん、でも神話級まで使えるのは時空魔法だけかな。他のも厄災級魔法までは使えるけど」
この世界には魔法も強さによってクラス分けされる。
一番下が下級、次が中級、その次が上級、そして災害級、厄災級、神話級だ。
通常は中級までしか使えない。上級が使えればおそらく宮廷魔法師団に入れる。
そして災害級が使えれば宮廷魔法師団長レベルだ。
「神話級なんて使えるの?」
「うん、練習すればできるよ」
「じゃあ契約しよっかな」
「やったー。じゃあはじめよっか」
そういってノフィは俺の隣に座った。
「今から僕と君の魔力をつなぐよ。ちょっと変な感じがするかもしれないけど頑張ってね」
そういってノフィは俺の方に頭を預けてきた。
すると、俺の体の中の魔力のほかに別な魔力が入ってきた。
違和感はあるが拒絶するほどでもない。温かくどこか懐かしい魔力だ。
そこから、少ししてノフィが頭を戻すとその魔力の違和感もなくなった。
「終わったの?」
「うん、契約完了。そういえば言ってなかったけど向こうに戻ったら身体に変化があるかも」
「え、ほんと?」
「うん、でも魔法を使う時ぐらいかもしれないね。それとこれでいつでも君と一緒にいれるよ」
「今までとは違うの?」
今までもちょくちょく俺の近くに表れていたのにそれとは何か違うのだろうか?
「うん。今までは定期的にこっちの世界に戻ってくる必要があったけど、これからはきみのそばにいるだけで回復するんだ」
「回復?」
「うん、魔力の回復とか。あ、もうすぐ時間だねじゃあまた向こうの世界でね」
そういうとまた周りが光りだして
目を開くとそこは元の教会だった。
すると、後ろから司祭が戻ってきて
「ルイト君お疲れさまでした。これで洗礼の儀は終わりです。それではご家族のもとにお送りいたします」
そういって俺たちは部屋を出て教会の入り口に向かった。
「ルイトお疲れさま」
教会の入り口では家族みんなが待っていた。
「ルイトどうだった?」
父さんはもう結果を聞いてくるがさすがにまだ俺もステータスは見てない。
だから何も言えないんだよな~と思ってたら母さんが
「急ぎすぎよ、まだルイトも見てないはずだわ」
「そうだな、すまんな」
「いや、大丈夫だよ。帰ったら見てみるよ」
そういって俺たちは馬車に乗り込んだ。
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