【お急ぎの方へ☆サクッとネタバレ】Episode6-B 悪魔のくせに

 小さな3匹の悪魔が主人公。

 なお、”小さな”と一言で言っても、想像するサイズは人それぞれであると思うが、本作の悪魔はボーリングのピンぐらいのサイズである。


 悪魔たちは、全米を股に掛けて”現役”活動中のエリックという男を応援していた。

 このエリックであるが、198人のも女性(10代後半から30代前半までの容姿の優れた女)をその手にかけた稀代のシリアルキラーである。

 犯行はいつも単独で行い、ひとたび獲物を捕らえた後の、エリックの完膚なきまでの容赦の無さと残忍さは、”悪魔たちの中に潜む悪魔”をもさらに疼かせるものであった。


 今宵も、密かに3匹の悪魔に応援されているなどとは露とも知らぬエリックは、道で獲物を見つけていた。

 その獲物(天使と見紛うほどに清らかな20歳過ぎの美女)に、背後より襲いかかったエリックであったも、美女に抵抗して暴れられた挙句、渾身のアッパーカットをお見舞いされる。


 白目を剥いて、伸びてしまったエリック。

 そりゃあそうだろう、奴は”現役”のシリアルキラーには違いないが、御年81才であるのだから。

 稀代のシリアルキラーもやはり年には勝てないのだ。


 失神したエリックに慌てた美女は、自分の夫へと電話する。

 会話より、美女の名前は「アンジー」であり、彼女の夫の名前は「エリック」であることが判明。

 

 ここから、エリックが2人登場するため、地面で伸びている老いたシリアルキラーを「旧エリック」、新たに登場したアンジーの夫を「新エリック」と作中では表記する。


 アンジーと新エリックは、気を失ったままの旧エリックを自分たちの家の地下室に拉致、監禁する。


 風などないのに急に旧エリックに対する風向きがおかしくなり、悪魔たちを疼かせる新たなる風までもが吹き始めてきた……


 3匹の悪魔は、自分たちが応援していた旧エリックのことが気になり、というよりも見捨ててはおけず、奴が運ばれていった地下室に自分たちも忍び込んだ。

 

 今まで動物では”たくさん練習してきたらしい”アンジーと新エリック。

 人間を手にかけるのは、今宵が初めてであるとも……

 そう、アンジー&新エリックの殺人夫婦による、新たな連続殺人(しかも拷問殺人)が幕を開け、捕食者であったはずの旧エリックは自分自身が獲物の側へと回ってしまう……


 悪魔のくせに、旧エリックに情が移ってしまっていた3匹の悪魔は”旧エリックを殺させるものか!”と、アンジーと新エリックの初めての殺人を阻止せんと飛び出す。


 だが、アンジーと新エリックは、悪魔の実在を目の当たりにしてもビビるわけでもなく、鼻で笑っただけであった。

 神をも恐れぬ者たちは、悪魔だって恐れはしないのだ。


 アンジーはボウガンを、新エリックはハンティングナイフを手に近づいてくる。

 自分たちも、”悪魔より悪魔らしい殺人夫婦”の新たな獲物に数えられてしまったことを悟った3匹の悪魔は震え出した。

 悪魔のくせに、震え出した。 

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